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CGへの扉 Vol.40:知見の宝庫。MITの機械学習オンラインコース
オンラインコースは、知見の宝庫
昨今、人工知能、機械学習にまつわるMOOC(Massive Open Online Course)と呼ばれる公開オンライン授業のコンテンツが充実してきています。さまざまな大学で実施されている講座の内容がそのままオンラインで公開されているものです。コロナ禍の中、以前よりもさらに多くの講座が一般に無料で公開されはじめています。
MOOCでは、さまざまなレベルのコンピュータサイエンスに関する講座が公開されており、人工知能関連の講座も充実しています。そこでは超最先端の人工知能の研究成果を会得するというよりも、学部生向けに基礎を固め、実際に手を動かして試せるようになるといったことを目的とする講座が多いようです。動画やスライド資料が公開されているのはもちろんのこと、サンプルコードの公開、オンラインでコードを試せる環境や、手軽に使えるフレームワークを活用した演習、講座によっては質問やサポートが受けられるメンター制度など、さまざまな工夫が凝らされています。
筑波大学オープンコースウェア「機械学習」:https://ocw.tsukuba.ac.jp/course/systeminformation/machine_learning/p-1/
スタンフォード大学の機械学習コース(courseraによる配信):https://www.coursera.org/learn/machine-learning
ハーバード大学のデータサイエンス:機械学習コース:https://online-learning.harvard.edu/course/data-science-machine-learning
マサチューセッツ工科大学 6.S191 Introduction to Deep Learning:http://introtodeeplearning.com/
https://www.youtube.com/playlist?list=PLtBw6njQRU-rwp5__7C0oIVt26ZgjG9NI
特に MIT(マサチューセッツ工科大学)の講座は、約1時間弱の講座が53本。ヘルスケアやSNSなど特定分野での応用事例や、Google, NVIDIA, IBMなど各社の最先端の取り組みといった業界の第一線ですぐに役立つ実学に近い内容の講座です。そんなMITの公開講座の中でも特に注目なのがディープラーニング講座の次のコース MIT 6.S192 という番号がついたアートと創造性をテーマとしたディープラーニング講座です。
MIT 6.S192:Deep Learning for Art, Aesthetics, and Creativity(講座:芸術、美学、創造性のためのディープラーニング):https://ali-design.github.io/deepcreativity/
2019年から始まり、もともとは「Deep Creativity」というタイトルだったこの講座では、MITはもとより他の大学や Google Brain, Facebook, Adobe, OpenAI などAI活用の最先端を走っている企業や、AIを作品作りに活用しているアーティストなど、さまざまなゲストが招待講演しています。その中から特に興味深い講座をいくつか紹介しましょう。
芸術、美学、創造性のためのディープラーニング講座、その中身は?
MIT 6.S192 – Lecture 1: Computational Aesthetics, Design, Art | Learning by Generating

この講義ではディープラーニングに限らず、コンピュータを活用したアートやデザインの事例を紹介しています。一例として雑誌の表紙の色合いをディープラーニングの学習データとし、雑誌カテゴリごとの色の傾向を抽出。そこで作られた学習モデルを活用し「ファッション80% + テクノロジー20%」といった指定に合致した色合いを選出できるようになりました。このモデルの応用例としては Webデザインや広告、インテリアデザイン、プロダクトデザインなどさまざまな分野で活用できるとのこと。

MIT 6.S192 – Lecture 6: “Explorations in AI for Creativity” by Devi Parikh
人間の創造性を刺激するAIとは何か?というテーマで、いくつかのプロジェクトを紹介。講演者のDavi Parikhさんは、Facebook AI Research にResearch Scientistとして所属。紹介された事例は、手書き、コンピュータによって生成されたアート、タイポグラフィ、日記の視覚化、ダンスの動きなど多岐にわたっています。創造性はすべての核になる事柄であり、創造性によって人は自分を表現しており、新規性や価値観が重要な要素だと述べています。
MIT 6.S192 – Lecture 8: “How Machine Learning Can Benefit Human Creators” by Rebecca Fiebrink
ロンドン芸術大学のRebecca Fiebrinkさんによる講義。「機械学習が人間のクリエイターにもたらすもの」というテーマで、サウンドアートからの切り口で機械学習を解説しています。自身が開発しているSound Controlという画像入力情報をもとに、どんなものでも楽器にしてしまえる無料ツールを中心に音・音楽と機械学習について紹介し、専門知識がなくとも、クリエイティビティが発揮できることを強調しています。
Sound Control で作られたさまざまな楽器
Quick Demo of the Sound Control Software(Sound Controlのデモ動画)
MIT 6.S192 – Lecture 10: “Magenta: Empowering creative agency with machine learning” by Jesse Engel

Googleの人工知能研究部門 Google BrainのJesse Engelさんは、機械学習を活用して音楽の創造性を強化する手法について解説しています。解説の中心となるのは、機械学習によって音楽やアートの創造性を強化するmagentaというプラットフォームです。
他にも新しい音を奏でるSYNTH SUPERというデジタル楽器を開発したり果物を楽器として扱ったりと、破天荒なアイデアをテクノロジーで実現している興味深い事例です。


MIT 6.S192 – Lecture 11: “Artificial Biodiversity”, Sofia Crespo and Feileacan McCormick

アーティストのSofia CrespoさんとFeileacan McCormickさんによる講義は、Karl Sims の人工知能生命体 Evolved Virtual Creatures (1984) や、現在も詳細が明らかになっていないイタリアの不可思議な図鑑 コデックス・セラフィニアヌスなど、人工知能を活用したアートに必要な要素、背景、歴史、自然、制作のヒントなどを総合的に学ぶことができる内容です。
MIT 6.S192 – Lecture 12: “AI+Creativity, an Art Nerd’s Perspective” by Jason Bailey

Artnomeの創業者であるJason Baileyさんの講義は AIを活用したアート作品を扱うオンライン画廊としての立ち位置や、AIアート作品の価格の推移、事例や、アーティストの紹介など、いわゆる業界話が聞ける内容でした。特にロンドンを活動の拠点とするAIアーティストMemo Aktenさんの作品は、AIだけでも生み出せない、人間だけでも生み出せない、独特のハイブリッド感をもった作品群がとても興味深い表現です。
Learning to see: Gloomy Sunday from Memo Akten on Vimeo.
MIT 6.S192 – Lec. 16: “Human Visual Perception of Art …” Aaron Hertzmann (see comments for part I)

Adobeの主席科学者 Aaron Hertzmann さんの講義は、AIを活用しているさまざまなアーティストと作品を紹介しつつ、どんなデータを扱うのが重要であり、単純なテキスト処理とは異なる難しさがAIのアート活用の課題であること、良い作品とはどういうものなのか?という判断基準を考えていく必要があるといった提言をされていました。特にここで紹介された Neural Artist(神経作家)と銘打ったSofia Crespoさんの作品群に注目です。
Sofia Crespo / Neural Artist:https://sofiacrespo.com/
Part1:https://www.youtube.com/watch?v=FxrwJFjGyP4
Part2:https://www.youtube.com/watch?v=AIljnjj4e4w
MIT 6.S192 – Lecture 17: “Using A.I. in the service of graphic design” by Zoya Bylinskii

AdobeのCreative Intelligence Lab所属のZoya Bylinskiiさんによる講義は、グラフィックデザインにおけるAI活用の方法、現状、事例の紹介です。
紙面や画面におけるグラフィックデザインの要素、画像やレイアウト、色合いやアイコン制作など、人間が行う制作の流れを紐解いた上で、どういう手順でAIが手助けできるのかを、様々な切り口で研究している状況を解説しています。
例えば実際のグラフィックデザイナーが制作の前段階で実施している素材集めや、元となる素材の簡略化など、人工知能といえども無から何かを生み出せるわけではありません。人間の思考の流れや制作の段階を模倣することで人間の手助けになるツールを生み出すことができるという考えでアプローチしているようです。
ここではICONATEという、経験が浅くとも、または経験者はより素早く、アイコンデザインのアイデア出しや、試作に用いることのできる、初心者向きかつ、プロフェッショナル向きのツールを提供するものです。
ICONATE:Automatic Compound Icon Generation and Ideation:http://nxzhao.com/projects/ICONATE/
論文発表動画:https://www.youtube.com/watch?v=hNexpev9Yj0
人の創造性と人工知能の創造性の相乗効果。ハイブリッド環境の進展
MIT 6.S192 の講座を拝見して、総じて感じられるのは、人工知能研究者のアートに関する造詣や知識そして尊敬の念が素晴らしいこと、また逆にアーティストたちのテクノロジーへの尊敬の念がとてもよく感じられることでした。
例えば、Photoship などのデジタルペイントツールが登場した際、手書きの絵描きたちには、拒否反応を示す人と、それらを受け入れつつ創作活動に活かす人がいました。デジタルツールといえども、すべてが 0/1(ゼロイチ)で割り切れるものではありません。例えば色を選択するツールでも、RGBの数値を入力して色を選ぶという極端にデジタルな操作ではなく、カラーパレットやカラーピッカーで多数の色から直感的に色を選ぶという人間の感覚に合わせた操作が行われています。最近のデジタル描画ツールでは、絵の具を混ぜ合わせたり、絵の具が滲んだりといった表現も平易に可能になってきています。
ここで言いたいことは、デジタルが良いとか、アナログが良いとかではなく、新しい道具として人工知能やディープラーニングを手に入れたアーティストたちがさらにどんな創造性を働かせて作品を作っていくのか?ということです。いまはまだ扱うことが難しい最先端のテクノロジーを、アーティストがいかに活用し、人間ひとりの力ではなし得なかったあたらしい表現、新しい作品づくりが展開されるのか、テクノロジーによって、アーティストの完成や創作意欲がどう刺激されるのか? 視点を変えれば、興味が尽きない要素に溢れているのです。
本連載の今後の予定:「CGへの扉」では、単なるAIの話題とは少し異なり、CG/VFX, アートの文脈から話題を切り取り紹介していきます。映像制作の現場におけるAI活用や、AIで価値が高まった先進的なツール、これからの可能性を感じさせるような話題、テクノロジーの話題にご期待ください。何か取り上げて欲しいテーマやご希望などがございましたら、ぜひ編集部までお知らせください。
Vol.37:NVIDIA GTC 2022 レポート/アートとAIの視点で
Vol.36:創るためのAI〜AIと人間の創造性の未来:徳井直生氏講演レポート
Vol.35:マーベル・シネマティック・ユニバースを支える機械学習
Vol.34:注目論文よりCGの祭典 #SIGGRAPHAsia2021 を振り返る
Vol.33:AIの必然性 #SIGGRAPHAsia2021 レポート
Vol.32:Adobe Sneaks より進化の方向性を知る
Vol.30:SIGGRAPH2021レポート「ディープフェイクとの戦い」
Vol.29:AIの恩恵を受けるCG研究の世界。#SIGGRAPH2021 論文より
Contributor:安藤幸央