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Wikipediaのソースの信頼性をAIで精査:月刊エンタメAIニュース vol.31

2022.7.22ゲーム

Wikipediaのソースの信頼性をAIで精査:月刊エンタメAIニュース vol.31

エンタメにおいても人工知能は日進月歩で発展しており、新しい研究成果や試みが次々と発表されています。こちらの連載では、過去1か月間、主に海外で公開された注目すべきゲームAIやエンタメAIに関連したニュース、論文などを紹介していきます。

Wikipediaのソースを検証できるAI

インターネット百科事典「Wikipedia」には、現在およそ650万件の項目が登録されており、その数は毎月約1万7000件ずつ増えていると言われています。Wikipediaは無料で閲覧できる情報源として世界中の人々に利用される一方で、誰でも自由に編集できることから記述内容の信憑性が完全に保証されているとは限りません。

Meta AI(旧Facebook AI)は7月11日、Wikipediaのページに引用されている情報源の信頼性を自動で判定できるAIモデル「Sphere」を、オープンソースとして公開しました。Sphereはインターネット上に公開されている1億3400万件のWebページからなる膨大なデータセットを学習しており、ボランティアの編集者に代わって情報の引用元を検証することで、Wikipediaにおけるコンテンツの修正プロセスを支援することを目的としています。

Sphereは自然言語理解(Natural Language Understanding、NLU)技術によって単語や文章を数理表記へ変換し、コンテンツとソースの類似性を評価することで、Wikipediaに記載された引用元が記述内容と矛盾していないかどうかを検証しているということです。その際、ユーザーによって引用された情報源をランク付けすると同時に、より信頼性の高いソースを提案することも可能だということです。

AIで壁の向こう側を透視するデバイス

イスラエルを拠点に画像処理技術を提供するCamero-Techが、壁を透視できるレーダーの最新モデル「Xaver 1000」を、パリで開催された軍用技術の展示会「ユーロサトリ 2022」で発表しました。

Xaver 1000には、AIモデルを活用した目標追跡機能が搭載されており、障害物の向こう側に存在する物体をリアルタイムで検出し、3Dの静止画もしくは動画として表示できます。建物内部のレイアウトや生体の構造、その姿勢を高解像度で検出できることから、軍事作戦や救助活動における利用が想定されています。

たとえば、立てこもり事件の現場では、容疑者および人質の人数と現在位置、武装の有無や種類を瞬時に確認できます。また、戦地や災害地で瓦礫に埋もれた生存者を捜索するような状況でも大いに役立つと考えられます。同シリーズは、すでに複数の国において軍隊や警察、レスキュー隊向けに採用されているということです。

AIによって管理された世界初の養蜂

同じくイスラエルで、AI技術によりハチの監視や世話、生息環境の調整まですべてを担える世界初のAI養蜂が始まりました。

AFPによると、新興企業のBeewiseが開発した12立方メートルほどのハナバチ用巣箱にはセンサーが備え付けられており、AIが内部の状態を常に認識して餌となる糖や水、薬剤などを自動で供給できるということです。

また、巣箱内の温度調節や害虫駆除も可能とのこと。さらに、生成された蜂蜜は巣箱に組み込まれた遠心分離機によって自動で抽出する機能も備えています。巣箱内で問題が発生した場合は、専用のアプリを通じて養蜂家にアラートが送信されるほか、コンピュータから遠隔での対応が可能です。

関連記事:リサイクルや農業、養蜂で活躍。サスティナビリティ支援AIレポート

近年、ハナバチは農薬や害虫の影響で個体数が急激に減少していると報告されています。Beewiseは、受粉媒介として農業に欠かせないハナバチを保護する活動の一環として、AI技術を活用した巣箱を開発したということです。

投資の意思決定を支えるフィンテックAI

フィンテック企業のMILIZEは7月4日、Googleの自然言語処理技術「BERTモデル」を活用したネガティブニュース記事のラベリングシステムを、三菱UFJ信託銀行と共同で開発したことを明らかにしました。

このシステムは、多様な情報ソースから日々配信されるビジネス関連情報をスクリーニングして金融の専門用語や特有の文脈を認識することで、特定の企業や組織による投資や経済活動に関連する記事、なかでもアンチ・マネーロンダリングや経済制裁に関する記事をネガティブニュースとしてラベリングできるということです。

精査されたニュースから誤った予測データが発見された場合は、正しいラベルに貼り替えた上で教師データとして登録することで、AIモデルが再学習され精度を向上させられるということです。また、特定の企業名だけで判定ロジックが働いてしまうようなケースを排除するために、企業名をマスキングして文脈のみで内容を判断する学習プロセスを構築しているとのこと。これにより、人が判断する思考過程と似た結果を導き出せるということです。

膨大な量のビジネスニュースの中から投資の意思決定に関わる特定の情報を抽出し、正確に分析するには相応の時間を要します。MILIZEによると、同システムを活用することで作業の効率化はもちろん、所要時間の大幅な短縮が期待できるということです。

Writer:Ritsuko Kawai / 河合律子

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