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『Playable!』スタッフ鼎談:より簡単に、楽しく開発ができるソリューションを目指して

2022.12.20モリカトロン

『Playable!』スタッフ鼎談:より簡単に、楽しく開発ができるソリューションを目指して

先日公開した「AIの力でゲーム開発を強力にサポート、自動プレイテストAI 『Playable!』のサービス内容と未来像に迫る」でご紹介した内容を踏まえ、本稿では自動プレイテストAI 『Playable!』の運営・開発を担当する、ベリサーブの松木晋祐ゼネラルマネージャー、モリカトロンの松原卓二CTO、同じくリードエンジニアの岡島学氏に、本サービスの未来像などについて伺いました。

——ここからは『Playable!』を開発された皆さんで、技術的なビジョンや、あるいは今の段階では期待されているけれども、まだまだ実現できていないことなどついて、色々とディスカッションができればと思います。

松木晋祐(以下、松木):まず、近い将来に我々が実現できそうなものとしては、ネットワーク対戦型ゲームの自動テストですね。最近のゲームは、ネットワークにつながらないものはほぼありませんし、オンラインマルチプレイで遊べるゲームが多いですよね。その度合いはゲームによって変わりますが、ここのニーズがものすごくあります。多分、こうやればできるだろうという見込みは立っていますので、これからは通信対戦のテストにも力を入れていきたいですね。

もうひとつ、我々がやりたくて、なおかつニーズがすごく多いのに、なかなか実現できていないのが、AIにゲーム画面だけを見せた上で完全に自動でプレイさせることですね。現状では画面上の情報のみからゲームの目的をAIに理解させ、トライアンドエラーをさせると簡単にフレーム問題が起きてしまうんです。例えば、ロボットを洞窟に放り込んで時限爆弾を避けた上で必要なバッテリーを回収して脱出するミッションを与えても、ロボットはその洞窟内で生じる無関係な出来事を無視して必要なことだけを実行することができずにミッションに失敗してしまう。

なので、ここはゲームの自動テストに関わる我々のような人間にとっては、大きな夢のひとつなんです。画面だけを見て、ゲームの目的をちゃんと理解させて自動でプレイさせるのはものすごく難しいので、まさに夢と呼ぶにふさわしいですね。

ゲームのテストやQAに関する各国の論文を、我々のほうでも定期的に調べているのですが、まだ完全に実現できたと書かれているものはなくて、要素技術らしきものがちょこちょこと出ているような状況なので、いつの日か実現したいなとは思っています。

それから、ゲームの面白さとなる「楽しさ」「気持ちよさ」「続けたくなりやすさ」など、いわゆる官能評価と呼ばれるものは、いまだにフォーマルなアプローチはないはずです。やってみた結果そうなった、またはプレイテストのユーザーさんからCBTの結果を受け取った結果得られた、極めて感覚的なものだと思います。

このような感覚は、今後もテストで設定し切れないはずです。これからも「こういうテストをパスすれば、このゲームは官能評価的には優れたものである」という理論は、ずっと成立しないままだと思いますね。演繹的に導けない評価ということであれば、帰納的にアプローチしたほうが筋はいいんですよ。なので、官能評価みたいなところは多分、AIのほうが向いているはずです。

何でもAIにすればいいのかと言えば、もちろんそうではないのですが、ゆくゆくはゲームを作るクリエイターさんたちの助けになるようなものが実現できたら、すごく面白いだろうなと思っております。

松原卓二(以下、松原):我々がGame-Python Bridgeを使って作った理由は、やはりゲームに直接アダプトしないと情報の取得が難しい部分があったので、そこを人間が手助けしているからなんですね。「ゲームから、こういう情報をもらいましょう」「ゲームには、こういう情報を与えましょう」といったやり取りをブリッジしているのが、まさにGame-Python Bridgeですね。

例えばゲーム画面だけを見てパッドシミュレーターで操縦するような、要は人間の代わりに自動でプレイする完全な仕組みがもしできたら、本当に面白いだろうなと思います。QAのプロ、つまり人間からも「それをくれないか? 作ってほしい」って言われますので、我々としてももちろん作ってみたいと考えております。そのために、徐々にではありますが色々な研究を始めておりますので、いつの日かそこに少しでも近付けたらいいなと思っています。

人間のすごいところは、初めて遊ぶゲームであっても、見た目でおかしいところがすぐにわかることですよね。見た目で「あれっ、これ何だかおかしいぞ?」って思うようなものは、AIのモデルでも判定が可能になる未来がおそらくあるように思います。これからは、そのための方法論も考えて研究を続けていきたいですね。確か、岡島さんのほうにも、見た目で判断するようなものの相談が来ていましたよね?

岡島学(以下、岡島):はい。つい最近、そのようなご相談がありました。このような案件は、どちらかと言えばアーティスト、デザイナーの方々からのご要望が多いのですが、ゲームの見た目がちょっとおかしい、例えばキャラクターのテクスチャーの絵が貼り付けられていなくて「何だか、のっぺりした変なものがいる」みたいなことがゲーム開発では起きやすいんです。じゃあ、それをどうやってチェックするのかと言えば、その方法は現状、人間が目で見て確認するしかありません。

見た目でおかしいと思う所をうまく発見できるようになれば、安心して開発ができるようになりますし、もし途中で多少ミスがあったとしてもAIが見付けてくれるようになれば、アーティストさんも過度にミスを恐れずに楽しく作れるようになると思いますので、見た目の異常の検知が実現できればと考えております。もっとも、見た目で何が良いのか、それとも悪いのかがわからないとOK、NGの判断ができませんので、こういった判断ができるものを着手しつつ、いずれはこういったことが実現できたらいいなあと思います。

——先ほど、松木さんからネットワーク対戦型ゲームの自動テストのお話がありましたが、『フォートナイト』や『PUBG』のように大人数で対戦するゲームをチェックするAIを作る場合は、やはり開発の難易度も上がってしまうのでしょうか?

松木:仰るとおりですね。おそらくMOとMMOとでは全然話が違ってきまして、例えば『スプラトゥーン』や『モンスターハンター』、あるいはFPS のように数人、十数人程度で遊べるゲームの通信やマルチプレイのテストとMMOのテストとでは、次元がまったく違う話になると思います。数人の通信対戦ゲームであれば「誰かがこういう動きをしたときは、こうなるよね」といった条件ベースでのテストができると思いますが、数千~数万人がプレイできるMMOの場合は、個々の動きを見るのはとても無理なので、おそらく環境のテストみたいな形になるかなあと。これはこれで、すごく面白いなとは思いますけどね。

岡島:オンライン対戦ゲームで、テストが難しいと言われていることがひとつありまして、それは何かと言いますと、まず人を集めるのが大変なんです。例えば64人で対戦できる『バトルフィールド』のようなゲームを、64人のプレイヤーを集めなくても、プレイヤーが1人だけで残りの63人をAIで対戦できれば気軽にチェックが行えるようになりますよね。

もちろん、ただ単純にAIがいるだけはなくて、普通に対戦プレイが楽しめる状態でなくてはいけません。今はオンラインゲームでの需要がとても多いのですが、テストが難しい状況が続いておりますので、AIの力を利用すればゲーム開発をかなりサポートできるのではないかと考えています。

それから、回線の問題もありますよね。いろいろな回線に対応して、自動でテストできるようなものができれば「ネットワーク周りを変えたから、ちょっとテストしてみるか」といったときのチェックも簡単になりますので、これも実現できたらとても明るい未来が待っているように思います。

——インドなどの南アジア地域では『PUBG』のような大人数のバトルロイヤルゲームが大人気ですが、将来的にこちらの市場に進出しようとなった場合は、これらのゲームに対応した自動プレイテストAIがあれば、かなりビジネスが広がるように思います。

松木:はい。アジアであれば中国、インド辺りは、すごく大きな市場になると思っていますので、これらの地域でヒットしているMOBAのようなジャンルのゲームについては、どういったメカニクスのゲームが多いのかを研究しながら市場を開拓してきたいと強く思っています。

——ただ市場を広げるためには、地域によって通信回線のインフラにバラつきがあるため日本と同じようにはできない問題もありますよね。

松木:そうですね。地域にもよると思いますが、大陸のほうでは日本や韓国などと同じようにはいかないと思いますし、ここをシミュレーションするだけでも面白いですよね。

——今後のビジネス展開についてお尋ねします。『Playable!』を、これからどのように普及させていきたいと皆さんはお考えですか?

松木:どのぐらいのお値段で、どんな形態で提供すれば、パブリッシャーやデベロッパーの皆さんが使いやすいのか、一番良い価格帯などをまさに思案しているところです。我々の方針としては、高いものだと理解した上で買っていただくよりは、まずはとにかく試していただけるものにしたいと考えております。

私たち自身も「これで決定版です」と言いうつもりはあまりなくて、今のところ使えるものは3つですが、今後ももっとたくさん作っていきたいですし、使っていただいた皆さんからのフィードバックを受けたうで、より良いものにしていきます。今後もどんどん進化していくことを前提にしたソリューションですので、なるべくお求めやすい価格にするつもりです。

基本的には、半年とか1年とかの契約を前提とさせていただく形で考えております。今までのように、発売前の3か月だけ使うみたいなやり方ではなくて、ゲームを作っている最中からずっとご利用いただけるような、開発者の皆さんといっしょに長期間走り続けられるものにしていきたいですね。

岡島:私の個人的な思いとしても、ゲームの開発の長期間のスパンで導入していただいて、より開発がしやすくなるように支援ができたらいいのになと思っています。

我々のソリューションはまだ出来上がったばかりですし、どこのゲーム開発会社さんでもどんな思想でゲームを開発しても、うまく当てはまるものにしていきたいと思います。まずは、なるべく多くのお客様に使っていただいて、ご要望をいただきながらどんどん開発がしやすいものにしていきたいですね。

私も一時期ゲーム開発のサポートに携わっていたのですが、そのときは正直「面倒だなあ……」と思ったこともありました。できる限り楽しく、時間に追われることなくゲーム開発ができたら理想的だと思いますし、ここに我々のソリューションがうまくハマればいいなと思っています。まさにチェックなどというのは、誰かが勝手にやってくれたらいいなあと思うことの最たるものですから、そこを我々の技術によってどんどん置き換えていけたら、楽しく簡単に開発ができると考えています。

松木:まさに仰るとおりですね。これはベリサーブもモリカトロンの皆さんも同じ思想だと思いますが、車にたとえれば運転中にどれだけスピードを出しても絶対に怪我をしたり、事故が起きたりしないことがもしわかっていれば、それこそ時速何キロメートルでも出せるんですよ。逆説的ではありますが、我々がバンパーみたいに、車を最低限守れるようなものを用意しておくことで、より皆さんがアグレッシブなゲーム開発ができるようにしたいですね。

我々のソリューションによって、ただ品質保証をするだけでなく、ゲームのクオリティの向上にも必ずつながり、野心的なものが作れるようにもなるはずですので、そういった面でも貢献ができればと思っております。

——インディーゲーム開発者向けにも導入できる、手頃な価格での提供も実現できそうですか?

松木:はい、できると思います。インディーゲーム開発の皆様には、イベントなどの情報公開の場で無償で使っていただいたり、レベニューシェアのような課金モデルも検討したいと考えております。お値段は高くしないつもりですが、その値段でもなかなか出しにくい規模のインディーズメーカーさんには、別の契約形態も用意して、ぜひ使っていただけるようにしたいですね。

——皆さんがお考えになられている、ソリューションが実現できる日が楽しみですね。ぜひ松原さんからも『Playable!』や自動テストプレイAIについて、将来の展望などをお聞かせ下さい。

松原:これは私が勝手に考えている遠い未来のお話ですが、いずれは我々が作っているデバッグ用のツールをアセット化できたらいいなあと。今のところは、我々が手取り足取り導入している段階ですが、アセット化して誰でも気軽に使ってもらえるようになれば、すごく大きなビジネスになると思います。

ゲームエンジン上での利用についても、我々のほうで研究をしています。具体的には、Unreal Engine4とUnityの2つで、これらのゲームエンジンを使っているタイトルのQAを手助けできるものが作れたらと思っています。このスタイルの良いところは、ゲームに限らず、ゲームエンジンを使って作っているものであれば、ひょっとしたら何でも役に立てるのではないかということですね。

ゲームをメインターゲットにしてはいるのですが、Unreal Engine4やUnityを使ったタイトルであれば、何でもデバッグの手助けができるだろうと思っております。産業機械とかロボットとか、Unityを使って開発したものがすでにありますので、将来的に大きなビジネスに成長させられたらいいなと思っております。

サービスに関するお問い合わせ:https://www.veriserve.co.jp/contact/

Writer:鴫原盛之

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