モリカトロン株式会社運営「エンターテインメント×AI」の最新情報をお届けするサイトです。

TAG LIST
CGCGへの扉機械学習安藤幸央ディープラーニングGAN月刊エンタメAIニュース河合律子OpenAIニューラルネットワーク音楽NVIDIA強化学習三宅陽一郎吉本幸記FacebookQA人工知能学会GPT-3自然言語処理大内孝子敵対的生成ネットワークGoogleDeepMindキャラクターAIスクウェア・エニックス森川幸人モリカトロンAIラボインタビュールールベースシナリオAIと倫理グーグルデバッグDALL-E2StyleGAN映画倫理ゲームプレイAIマイクロソフトNFTアート自動生成SIGGRAPHメタAIロボット深層学習CEDEC2019プロシージャル遺伝的アルゴリズムDALL-Eテキスト画像生成ビヘイビア・ツリーディープフェイクCEDEC2021CEDEC2020ゲームAIデジタルツインメタバーステストプレイモリカトロン不完全情報ゲームVRナビゲーションAINPC畳み込みニューラルネットワークCLIPGDC 2021JSAI2022VFXGDC 2019マルチエージェントCEDEC2022AIアートボードゲーム画像生成ファッション懐ゲーから辿るゲームAI技術史toioCNNAdobeStable DiffusionUnity著作権小説鴫原盛之HTN階層型タスクネットワーク汎用人工知能JSAI2020TensorFlowインタビューBERTMicrosoftイベントレポート対話型エージェントロボティクス水野勇太アニメーションGenvid Technologiesガイスター画像生成AIStyleGAN2GTC2022教育ソニーJSAI2021スポーツ研究シムピープルマンガマーケティングGDC SummerバーチャルヒューマンブロックチェーンMidjourneyアストロノーカキャリアNVIDIA OmniverseeスポーツAmazoneSportsDQNBLUE PROTOCOLシーマンMinecraftアバターOmniverseUbisoftメタAlphaZeroTransformerGPT-2AIりんなカメラ環世界中島秀之哲学理化学研究所SIGGRAPH ASIADARPAドローンシムシティImagenバイアスMCS-AI動的連携モデルモーションキャプチャーTEZUKA2020AI美空ひばり手塚治虫バンダイナムコ研究所スパーシャルAIElectronic ArtsメタデータLEFT 4 DEAD通しプレイOpenAI Five本間翔太CMピクサープラチナエッグイーサリアム作曲ボエダ・ゴティエビッグデータ中嶋謙互Amadeus Codeデータ分析Microsoft AzureMILE模倣学習ナラティブアーケードゲームOmniverse ReplicatorWCCFレコメンドシステムNVIDIA DRIVE SimWORLD CLUB Champion FootballNVIDIA Isaac Simセガ柏田知大軍事サイバーエージェント田邊雅彦トレーディングカードトレカ音声認識メディアアートPyTorch眞鍋和子バンダイナムコスタジオaibo合成音声Meta齊藤陽介マインクラフトお知らせMagic Leap Oneチャットボットサルでもわかる人工知能VAE3DCGリップシンキングUbisoft La Forge自動運転車ワークショップ知識表現ウォッチドッグス レギオンIGDA秋期GTC2022どうぶつしょうぎEpic Gamesジェイ・コウガミ音楽ストリーミングMITAIロボ「迷キュー」に挑戦野々下裕子徳井直生マシンラーニング5GMuZeroRival Peakクラウド対話エンジン斎藤由多加リトル・コンピュータ・ピープルCodexコンピューティショナル・フォトグラフィーゴブレット・ゴブラーズ絵画rinnaシミュレーションデジタルヒューマン完全情報ゲーム坂本洋典釜屋憲彦ウェイポイントパス検索対談ベリサーブ藤澤仁生物学Playable!GTC 2022画像認識SiemensStyleCLIPDeNA長谷洋平masumi toyota宮路洋一OpenSeaGDC 2022TextWorldEarth-2MagentaSFELYZA PencilGTC2021CycleGANデータマイニングNetHackはこだて未来大学キャラクターモーションフェイクニュースエージェントRPGSIGGRAPH 2022AIボイスアクターNVIDIA CanvasGPUALifeZork人工生命オルタナティヴ・マシンサウンドスケープASBS栗原聡ぱいどんテキスト生成不気味の谷ナビゲーションメッシュ松井俊浩ELYZAフルコトELYZA DIGEST3D音声合成西成活裕Apex LegendsELIZA群衆マネジメントNinjaコンピュータRPGライブビジネスアップルタウン物語新型コロナKELDIC周済涛メロディ言語清田陽司ゲームTENTUPLAYサイバネティックスMARVEL Future FightAstro人工知能史タイムラプスEgo4DAI哲学マップバスキア星新一日経イノベーション・ラボStyleGAN-XL敵対的強化学習StyleGAN3階層型強化学習GOSU Data LabGANimatorWANNGOSU Voice AssistantVoLux-GAN竹内将SenpAI.GGProjected GANMobalyticsSelf-Distilled StyleGAN馬淵浩希Cygamesニューラルレンダリング岡島学AWS SagemakerPLATO映像セリア・ホデント形態素解析frame.ioUXAWS LambdaFoodly誤字検出森山和道認知科学中川友紀子ゲームデザインSentencePieceアールティLUMINOUS ENGINELuminous ProductionsBlenderBot 3パターン・ランゲージ竹村也哉Meta AIちょまどマーク・ザッカーバーグGOAPWACULAdobe MAX 2021自動翻訳AIライティングOmniverse AvatarAIのべりすとFPSNVIDIA RivaQuillBotマルコフ決定過程NVIDIA MegatronCopysmithNVIDIA MerlinJasperスタンフォード大学NVIDIA Metropolisパラメータ設計テニスバランス調整協調フィルタリング人狼知能テキサス大学AlphaDogfight TrialsAI Messenger VoicebotエージェントシミュレーションOpenAI CodexStarCraft IIHyperStyleMax CooperFuture of Life InstituteRendering with StyleIntelDisney類家利直LAIKADisneyリサーチヴィトゲンシュタインRotomationGauGAN論理哲学論考GauGAN2京都芸術大学ドラゴンクエストライバルズ画像言語表現モデル不確定ゲームSIGGRAPH ASIA 2021PromptBaseDota 2モンテカルロ木探索ディズニーリサーチMitsuba2バンダイナムコネクサスソーシャルゲームEmbeddingワイツマン科学研究所ユーザーレビューGTC2020CG衣装mimicNVIDIA MAXINEVRファッションBaidu淡路滋ビデオ会議ArtflowERNIE-ViLGグリムノーツEponym古文書ゴティエ・ボエダ音声クローニング凸版印刷Gautier Boeda階層的クラスタリングGopherAI-OCR画像判定JuliusSIE鑑定ラベル付けTPRGOxia Palus大澤博隆バーチャル・ヒューマン・エージェントtoio SDK for UnityArt RecognitionSFプロトタイピングクーガー田中章愛実況パワフルサッカー石井敦銭起揚NHC 2021桃太郎電鉄茂谷保伯池田利夫桃鉄GDMC新刊案内パワサカマーベル・シネマティック・ユニバースコナミデジタルエンタテインメント成沢理恵MITメディアラボMCU岩倉宏介アベンジャーズPPOマジック・リープDigital DomainMachine Learning Project CanvasMagendaMasquerade2.0国立情報学研究所ノンファンジブルトークンDDSPフェイシャルキャプチャー石川冬樹サッカーモリカトロン開発者インタビュースパコン里井大輝Kaggle宮本茂則スーパーコンピュータバスケットボール山田暉松岡 聡Assassin’s Creed OriginsAI会話ジェネレーターTSUBAME 1.0Sea of ThievesTSUBAME 2.0GEMS COMPANYmonoAI technologyLSTMABCIモリカトロンAIソリューション富岳初音ミクOculusコード生成AISociety 5.0転移学習テストAlphaCode夏の電脳甲子園Baldur's Gate 3Codeforces座談会Candy Crush Saga自己増強型AItext-to-imageSIGGRAPH ASIA 2020COLMAPtext-to-3DADOPNVIDIA GET3DデバッギングBigGANGANverse3DDreamFusionMaterialGANRNNグランツーリスモSPORTAI絵師ReBeLグランツーリスモ・ソフィーUGCGTソフィーPGCVolvoFIAグランツーリスモチャンピオンシップStability AINovelAIRival PrakDGX A100NovelAI DiffusionVTuberユービーアイソフトWebcam VTuberモーションデータ星新一賞北尾まどかHALO市場分析ポーズ推定将棋メタルギアソリッドVフォートナイトメッシュ生成FSMメルセデス・ベンツRobloxMagic Leapナップサック問題Live NationEpyllion汎用言語モデルWeb3.0マシュー・ボールAIOpsムーアの法則SpotifyスマートコントラクトReplica StudioAWSamuseChitrakarQosmoAdobe MAX 2022巡回セールスマン問題Adobe MAXジョルダン曲線メディアAdobe Research政治Galacticaクラウドゲーミングがんばれ森川君2号pixiv和田洋一リアリティ番組映像解析Stadiaジョンソン裕子セキュリティMILEsNightCafe東芝デジタルソリューションズインタラクティブ・ストリーミングLuis RuizSATLYS 映像解析AIインタラクティブ・メディアポケモン3DスキャンPFN 3D Scanシーマン人工知能研究所東京工業大学Ludo博報堂Preferred NetworksラップPFN 4D ScanSIGGRAPH 2019ArtEmisZ世代DreamUpAIラッパーシステムDeviantArtARWaifu DiffusionGROVERプラスリンクス ~キミと繋がる想い~元素法典FAIRSTCNovel AIチート検出Style Transfer ConversationOpen AIオンラインカジノRCPMicrosoft DesignerアップルRealFlowRinna Character PlatformイラストiPhoneCALADeep FluidsSoul Machines柿沼太一MeInGameAmeliaELSIAIGraphブレイン・コンピュータ・インタフェースバーチャルキャラクター大規模言語モデルBCIGateboxアフォーダンスLearning from VideoANIMAKPaLM-SayCan予期知能逢妻ヒカリPaLMセコムGitHub Copilotユクスキュルバーチャル警備システムCode as Policiesカント損保ジャパンCaP上原利之ドラゴンクエストエージェントアーキテクチャアッパーグラウンドコリジョンチェックPAIROCTOPATH TRAVELERChatGPT西木康智GPT-3.5OCTOPATH TRAVELER 大陸の覇者山口情報芸術センター[YCAM]アルスエレクトロニカ2019品質保証YCAMStyleRigAutodeskアンラーニング・ランゲージ逆転オセロニアBentley Systemsカイル・マクドナルドワールドシミュレーターローレン・リー・マッカーシー奥村エルネスト純いただきストリートH100鎖国[Walled Garden]​​プロジェクト齋藤精一大森田不可止COBOLSIGGRAPH ASIA 2022高橋智隆DGX H100VToonifyロボユニザナックDGX SuperPODControlVAE泉幸典仁井谷正充クラウドコンピューティング変分オートエンコーダーロボコレ2019Instant NeRFフォトグラメトリartonomous回帰型ニューラルネットワークbitGANsDeepJoinぎゅわんぶらあ自己中心派Azure Machine LearningAzure OpenAI Service意思決定モデル脱出ゲームDeepLHybrid Reward Architectureコミュニティ管理DeepL WriteウロチョロスSuper PhoenixSNSProject Malmoオンラインゲーム気候変動Project PaidiaProject Lookoutマックス・プランク気象研究所Watch Forビョルン・スティーブンスBing気象モデルLEFT ALIVE気象シミュレーション長谷川誠ジミ・ヘンドリックス環境問題Baby Xカート・コバーンエコロジーロバート・ダウニー・Jr.エイミー・ワインハウスSDGsYouTubeダフト・パンクメモリスタGlenn MarshallThe Age of A.I.Story2Hallucination音声変換レコメンデーションJukebox松尾豊Veap JapanEAPテンセントSIFT福井千春DCGAN医療MOBADANNCEメンタルケア人事ハーバード大学Edgar Handy研修デューク大学Netflixmynet.aiローグライクゲーム東京大学東京理科大学人工音声NeurIPS 2021産業技術総合研究所リザバーコンピューティングプレイ動画ヒップホップソニーマーケティングサイレント映画もじぱNBA環境音暗号通貨現代アートFUZZLEAlteration粒子群最適化法進化差分法オープンワールド群知能下川大樹AIFAウィル・ライト高津芳希P2E大石真史BEiTStyleGAN-NADAレベルデザインDETRゲームエンジンSporeUnreal Engineデノイズ南カリフォルニア大学Unity for Industry画像処理SentropyGLIDECPUDiscordAvatarCLIPSynthetic DataCALMプログラミングサム・アルトマンソースコード生成LaMDAGMAIシチズンデベロッパーSonanticTRPGGitHubCohereウィザードリィMCN-AI連携モデルマジック:ザ・ギャザリングAI DungeonUrzas.ai介護西川善司並木幸介Kikiサムライスピリッツ森寅嘉Zoetic AIゼビウスSIGGRAPH 2021ペットストリートファイター半導体Digital Dream LabsTopaz Video Enhance AICozmoDLSSタカラトミー山野辺一記NetEaseLOVOT大里飛鳥DynamixyzMOFLINRomiU-Netミクシィ13フェイズ構造アドベンチャーゲームユニロボットADVユニボXLandGatoAGI手塚眞DEATH STRANDINGマルチモーダルEric Johnson汎用強化学習AIデザインOculus Questコジマプロダクションロンドン芸術大学生体情報デシマエンジンGoogle BrainインディーゲームSound Control写真高橋ミレイSYNTH SUPER照明Maxim PeterKarl SimsJoshua RomoffArtnomeハイパースケープICONATE山崎陽斗深層強化学習立木創太松原仁浜中雅俊ミライ小町武田英明テスラ福井健策GameGANパックマンTesla BotNEDOTesla AI DayWikipediaソサエティ5.0SphereSIGGRAPH 2020バズグラフXaver 1000ニュースタンテキ養蜂東芝BeewiseDIB-R倉田宜典フィンテック投資韻律射影MILIZE広告韻律転移三菱UFJ信託銀行

AIの力でゲーム開発を強力にサポート、自動プレイテストAI 『Playable!』のサービス内容と未来像に迫る

2022.12.19モリカトロン

AIの力でゲーム開発を強力にサポート、自動プレイテストAI 『Playable!』のサービス内容と未来像に迫る

モリカトロンとベリサーブが共同開発したゲームの自動プレイテストAI、その名も『Playable!』が、現在ベリサーブから提供されています。『Playable!』は「Game-Python Bridge」と呼ぶ技術を使用することで、ゲーム側にできるだけ変更を加えることなく、ゲームを外部のプログラムから操作できる仕組みを実装することで、自動テストに関する機能をゲームと独立して開発できる環境を実現しています。

導入する際は、Unreal Engine4またはUnityであればプラグインの導入と、プレイヤー位置などゲームを自動で操作する上で必要な情報を収集する処理の実装が必要となります(※TCP 通信ができれば、ゲームプログラムの実行はゲーム機の開発機でも可能です)。

『Playable!』の構造

ベリサーブは、今から20年ほど前にソフトウェア開発のテストや品質保証ビジネスを、日本でいち早く開始したパイオニア企業です。現在では、国内の車載システムには同社のサービスがほぼすべてに導入されているほか、エンタープライズ(基幹システム)や、家電の組み込み製品からJAXAの宇宙開発システムなど、幅広くビジネスを手掛ける同社ですが、これまで唯一、進出していなかったのがゲーム分野でした。

同社のゼネラルマネージャー、松木晋祐氏に『Playable!』を通じてゲーム分野に進出することになったきっかけを伺ったところ、「ゲーム産業は、人を幸せにするためのビジネスですし、とても魅力的な市場だと思っていたのですが、今までは採算面での問題などがあったので参入することができませんでした。もし我々が参入するのであれば、人間の手ではなく、なるべくツールやコンピューターを使って、人間がするのと同等のサービスが実現できるのであれば、ぜひやってみたいとは考えていました。ですが、あるときmonoAI technology(モノアイテクノロジー)の本城嘉太郎(現モリカトロン代表取締役社長)さんとお話させていただいたら、我々と同じ考えをお持ちだったことがわかりましたので、じゃあやってみようかということで研究開発が始まりました」とのことでした。

『Playable!』の特長

前述したように『Playable!』は、プログラムの変更を最小限にとどめた上で、さまざまなゲームに使用できる「Game-Python Bridge」と呼ぶ技術を導入しています。現在『Playable!』で利用できるツールは、以下の3種類があります。

1:通しプレイツール

「通しプレイ」とは、ゲームを最初から最後まで自動でプレイし、ゲームが攻略可能であることを確認するテストのことです。あらかじめ人間が作成した「お手本データ」をもとに、本ツールを使用してAIに「通しプレイ」をさせることで、正常にクリアできるかどうかを自動で確認することができます。

もし「通しプレイ」でクリアが不可能であることが判明すれば、人間の作業者がログをチェックすることで、具体的なバグの発見がしやすくなります。モリカトロンの岡島学リードエンジニアによると「通しプレイ」は非常に重要なテストでありながら、現状では人力で高頻度のテストが実施できていない分野とのこと。この問題を解決するのが、まさに本ツールとなるわけですね。

本ツールを使用すれば、人間の代わりにコンピューターがゲームをプレイすることで24時間プレイも可能となり、なおかつ高頻度でのテストが実施可能となります。

「通しプレイツール」

2:コリジョンチェックツール

ゲームを自動操作して、マップ上のすべての壁に衝突して問題がないかどうかを自動でチェックする「総当たり系」のテストです。見た目には障害物があるのに、実際は当たり判定がないため通り抜けができてしまう、あるいは高速で壁にぶつかるとすり抜けてしまうといった不具合を、プログラムと設定上の両方の問題からチェックすることができます。

まずは事前処理として、ゲーム内の地形を3Dスキャンして解析し、その結果から確認をすべき場所(※例:「壁を一定間隔で」「何センチ単位で」など)を抽出します。確認場所の決定後は、複数のPCで複数のゲームを立ち上げ、抽出した大量の衝突目標を1つずつ、総当たりチェックすることが可能となります。テストの結果は、専用のツールとゲーム上でも確認が可能となり、非エンジニアでもチェックで見つかった問題点を把握できるメリットがあります。

岡島氏によると、オープンワールド系の作品のように、広大なマップが登場するゲームが増えた昨今では、ゲーム内の当たり判定が適切に設定されているかを人力でチェックするのは難しくなっているそうです。ですが、本テストを使用すれば、人間と違って同時にたくさん動かすことが簡単にでき、複数のゲームを同時にプレイして並列してチェックを行うことで、広大なマップでもまんべんなくチェックすることが可能となります。

複数のPCで複数のゲームを立ち上げ、抽出した大量の衝突目標を1か所ずつチェックできる「コリジョンチェックツール」
チェック後の結果は、専用ツール(左)とゲーム上のどちらでも確認できる

3:アイテム回収テストツール

ゲームを長時間起動して、例えばマップ上をひたすら徘徊したり、あるいは敵を倒し続けたり、落ちているアイテムをひたすら回収したりする、などといった操作を続けても、ゲームが正常にプレイ可能であることを確認するテストを自動化するための第一歩として作られた「マップ内のすべてのアイテムを回収するような仕組みを構築する」ツールです。

本ツールは、前述した「通しプレイ」のように、事前に「お手本データ」を作るわけにはいきません(※そもそも、データを作った時点で確認が済んでしまいますよね……)。そこで、目的地までの経路を探索する機能と、発見した経路に従って実際にプレイヤーを操作する機能を組み合わせることで、プレイヤーを全自動で操作して、マップ上に配置されたアイテムを入手させるようにします。このテストによって、もし入手できないアイテムが見つかった場合は、配置場所が適切ではない可能性があることがわかります。

また岡島氏によると、上記のほかにも「指定した場所をひたすら巡回するツール」を現在開発中とのことです。

「アイテム回収テストツール」実行中の様子
テストの結果は、マップを用いて表示される

自動プレイテストAIの現状

上記の3つのツールは、いずれもQAとして今まで行ってきたことですが、人的リソースが非常に掛かり、作業の繰り返しが多いため実行できないテストを、AIと人間の協働によって実現させるために開発されたものです。

松木氏によりますと、どんなゲームタイトルでも、どこのメーカーのものでも汎用的に利用できる自動テストAIは『Playable!』が初めてではないかとのことです。

ゲーム産業では、テストメンバーが自動テストツールを活用した例は、monoAI technologyで行っていたQA事業を分社化してベリサーブとの合弁でAIQVE ONEを設立するまではほとんどなかったと思います。人をとにかくたくさん集めて、人海戦術で行う基本的なテストのやり方は、おそらく今でもあまり大きくは変わっていないと思います。

CEDECなどでも、自動テストツールに関する話題がここ数年の間に出てくるようになったのですが、例えばスクウェア・エニックスさんやセガさんの研究スタッフの方々が、一部のタイトルで通しプレイテストの自動化などを行っています。エージェントbotを使用したうろつくテストをしたり、その結果fpsが極端に低下し、想定以上の負荷が掛かっている場所がないかどうかをスクリーニングしたり、戦闘を自動で行ったりするなど、自社の特定タイトルに適用した事例は、国内外で少しずつ出始めています。

ただし、基本的にそれらは各パブリッシャーさんが自社タイトル専用に作られているものです。我々が開発した『Playable!』のように、ジャンルは限定されますが、どんなゲームタイトルでも、どこのメーカーさんのものでも汎用的に利用できる自動テストAIは、おそらく初めてではないかと思います(松木氏)

自動化ツールの導入にあたって気になるのは、やはりその精度になるでしょう。『Playable!』を導入することで、はたしてどのぐらいの精度が期待できるのでしょうか?

ゲームに関係なく、このようなソフトウェアテストの技術は、実は原理的に100パーセント保証することができません。精度を考える場合には、基本的に母数の設定が無限大になりますので、無限大に対して何パーセントでというのは、あまり意味がないんですね。

今は人間の力で行っていることを、だいたいどれくらいまでできるのかという意味で言えば、先程もお話したコリジョンテストに関しては、原理的に人間を上回る精度が出るはずです。通しプレイについては、プレイの幅は人間のほうがまだ広いと思いますが、運用の簡単さと量、つまりプレイ時間は全然違います。

ツール上では、通しプレイも複数インスタンスで動かせるので、1人のプレイヤーが1日8時間で行う通しプレイを、10個のインスタンスを使えば1日で80時間の通しプレイが簡単に実行できます。

現段階では、通しプレイについては一長一短ありますが、コリジョンテストと、それからアイテム回収、つまり『ひたすら○○系』に関しては、おそらく人間よりも高い精度と効率が出せるはずです(松木氏)

現時点では、通しプレイの幅は人間のほうが幅広いとのことでした。では、将来的にはデータが増えれば増えるほど、ツールの学習効果も高まっていくことになるのでしょうか?

そのとおりです。この点については、松原卓二(モリカトロンCTO)さんもよく仰るのですが、現時点ではAIというものに対して、一番期待されるような活用法ではないんですよ。ですが、我々のツールをたくさん使っていただくことでデータが集まれば、もっと賢いことができるようになるはずです。今のところは、我々のツールはAIよりもコンピューティングパワーの比率のほうがまだ高いと思います(松木氏)

私自身も、そういう未来に進みたいと思っております。どのAIエンジニアも、とにかくありとあらゆるデータ量を欲しがるのは、そうすればモデルの学習ができるわけですから、当たり前のことですよね。ですが、我々が始めた『Playable!』にはデータがありません。

なので、最初にデータを作らなければいけないわけですが、人力で作ると大変ですので、まずはコンピューティングパワーで自動化して、その過程でデータを自動収集できる仕組みも作っておくことで、モデルで色々なことができるようになる、学習データの収集ができるようになると考えています。ですから、今はモデルを実現するための基礎工事をしている段階ですね(松原氏)

まだサービスを開始したばかりの『Playable!』ですが、現段階での導入実績はどれくらいあるのでしょうか?

すでに、商用案件でご活用いただいた例がいくつかあります。あとはインディーズゲームと、我々のAIプレイヤーのケイパビリティを示すための小規模な3DアクションRPGLIVE A LIVEの良移植でお馴染みのヒストリア様に開発いただきました。本作品により『Playable!』を一般公開できるようになったのは大きいです。ほかにも、これから進める予定の案件がいくつかあります(松木氏)

サービスに関するお問い合わせ:https://www.veriserve.co.jp/contact/

≫「『Playable!』スタッフ鼎談:より簡単に、楽しく開発ができるソリューションを目指して」​​に続く

Writer:鴫原盛之

RELATED ARTICLE関連記事

ゲーム制作現場ですぐに使える!モリカトロンのAIソリューション5種

2021.6.28モリカトロン

ゲーム制作現場ですぐに使える!モリカトロンのAIソリューション5種

完全自動デバッグAIや格闘ゲーム接待AIの実現に向けたモリカトロンの挑戦 #CEDEC2020

2020.8.31モリカトロン

完全自動デバッグAIや格闘ゲーム接待AIの実現に向けたモリカトロンの挑戦 #CE...

インディーゲーム開発の現場でこそAIは役立つ:森川幸人氏講演レポート

2021.9.14モリカトロン

インディーゲーム開発の現場でこそAIは役立つ:森川幸人氏講演レポート

RANKING注目の記事はこちら