モリカトロン株式会社運営「エンターテインメント×AI」の最新情報をお届けするサイトです。

TAG LIST
CGCGへの扉機械学習安藤幸央ディープラーニング月刊エンタメAIニュースGAN河合律子OpenAI音楽ニューラルネットワークNVIDIA三宅陽一郎強化学習吉本幸記QAGoogleFacebook人工知能学会GPT-3自然言語処理グーグルDeepMind大内孝子森川幸人敵対的生成ネットワークキャラクターAIスクウェア・エニックスモリカトロンAIラボインタビューマイクロソフトルールベースシナリオAIと倫理映画デバッグアートDALL-E2StyleGAN倫理ゲームプレイAINFT自動生成SIGGRAPHメタAIテキスト画像生成ロボット深層学習CEDEC2019プロシージャル遺伝的アルゴリズムテストプレイモリカトロンStable DiffusionDALL-Eビヘイビア・ツリーディープフェイクCEDEC2021CEDEC2020ゲームAIVFXデジタルツインメタバース不完全情報ゲームVRナビゲーションAINPC畳み込みニューラルネットワークCLIP画像生成GDC 2021JSAI2022GDC 2019マルチエージェントCEDEC2022AIアート画像生成AIボードゲームファッション懐ゲーから辿るゲームAI技術史toioCNNAdobeUnity著作権小説アニメーション鴫原盛之HTN階層型タスクネットワーク汎用人工知能JSAI2020TensorFlowインタビューBERTMicrosoftイベントレポート対話型エージェントロボティクスMetaMinecraft水野勇太Genvid TechnologiesガイスターStyleGAN2GTC2022教育ソニーJSAI2021スポーツ研究シムピープルMCS-AI動的連携モデルマンガマーケティングGDC SummerバーチャルヒューマンブロックチェーンMidjourneyアストロノーカキャリアNVIDIA OmniverseeスポーツAmazoneSportsDQNBLUE PROTOCOLシーマンアバターOmniverseUbisoftメタAlphaZeroTransformerGPT-2AIりんなカメラ環世界中島秀之哲学ベリサーブPlayable!ChatGPT理化学研究所SIGGRAPH ASIADARPAドローンシムシティImagenZorkバイアスモーションキャプチャーTEZUKA2020AI美空ひばり手塚治虫バンダイナムコ研究所スパーシャルAIElectronic Arts3DメタデータLEFT 4 DEAD通しプレイOpenAI Five本間翔太CMピクサープラチナエッグイーサリアム作曲ボエダ・ゴティエビッグデータ中嶋謙互Amadeus Codeデータ分析Microsoft AzureMILE模倣学習ナラティブスタンフォード大学アーケードゲームOmniverse ReplicatorWCCFレコメンドシステムNVIDIA DRIVE SimWORLD CLUB Champion FootballNVIDIA Isaac Simセガ柏田知大軍事サイバーエージェント田邊雅彦トレーディングカードトレカ音声認識メディアアートPyTorch眞鍋和子バンダイナムコスタジオaibo合成音声齊藤陽介マインクラフトお知らせMagic Leap Oneチャットボットサルでもわかる人工知能VAE3DCGリップシンキングUbisoft La Forge自動運転車ワークショップ知識表現ウォッチドッグス レギオンIGDA秋期GTC2022どうぶつしょうぎEpic Gamesジェイ・コウガミ音楽ストリーミングMITAIロボ「迷キュー」に挑戦野々下裕子徳井直生マシンラーニング5GMuZeroRival Peakクラウド対話エンジン斎藤由多加リトル・コンピュータ・ピープルCodexコンピューティショナル・フォトグラフィーゴブレット・ゴブラーズ絵画rinnaイラストシミュレーションデジタルヒューマン完全情報ゲーム坂本洋典PaLM釜屋憲彦ウェイポイントパス検索対談藤澤仁生物学GTC 2022画像認識GPT-3.5SiemensStyleCLIPDeNA長谷洋平masumi toyota宮路洋一OpenSeaGDC 2022TextWorldジェネレーティブAIEarth-2BingMagentaSFELYZA Pencil松尾豊GTC2021CycleGANデータマイニング東京大学NetHackはこだて未来大学キャラクターモーションフェイクニュースエージェントRPGSIGGRAPH 2022レベルデザインAIボイスアクターNVIDIA CanvasGPUALife人工生命オルタナティヴ・マシンサウンドスケープLaMDAAI DungeonASBS栗原聡ぱいどんテキスト生成不気味の谷ナビゲーションメッシュ松井俊浩ELYZAフルコトELYZA DIGEST音声合成西成活裕Apex LegendsELIZA群衆マネジメントNinjaコンピュータRPGライブビジネスアップルタウン物語新型コロナKELDIC周済涛メロディ言語清田陽司ゲームTENTUPLAYサイバネティックスMARVEL Future FightAstro人工知能史タイムラプスEgo4DAI哲学マップバスキア星新一日経イノベーション・ラボStyleGAN-XL敵対的強化学習StyleGAN3階層型強化学習GOSU Data LabGANimatorWANNGOSU Voice AssistantVoLux-GAN竹内将SenpAI.GGProjected GANMobalyticsSelf-Distilled StyleGAN馬淵浩希Cygamesニューラルレンダリング岡島学AWS SagemakerPLATO映像セリア・ホデント形態素解析frame.ioUXAWS LambdaFoodly誤字検出森山和道認知科学中川友紀子ゲームデザインSentencePieceアールティLUMINOUS ENGINELuminous ProductionsBlenderBot 3パターン・ランゲージ竹村也哉Meta AIちょまどマーク・ザッカーバーグGOAPWACULAdobe MAX 2021自動翻訳AIライティングOmniverse AvatarAIのべりすとFPSNVIDIA RivaQuillBotマルコフ決定過程NVIDIA MegatronCopysmithNVIDIA MerlinJasperNVIDIA Metropolisパラメータ設計テニスバランス調整協調フィルタリング人狼知能テキサス大学AlphaDogfight TrialsAI Messenger VoicebotエージェントシミュレーションOpenAI CodexStarCraft IIHyperStyleMax CooperFuture of Life InstituteRendering with StyleIntelDisney類家利直LAIKADisneyリサーチヴィトゲンシュタインRotomationGauGAN論理哲学論考GauGAN2京都芸術大学ドラゴンクエストライバルズ画像言語表現モデル不確定ゲームSIGGRAPH ASIA 2021PromptBaseDota 2モンテカルロ木探索ディズニーリサーチMitsuba2バンダイナムコネクサスソーシャルゲームEmbeddingワイツマン科学研究所ユーザーレビューGTC2020CG衣装mimicNVIDIA MAXINEVRファッションBaidu淡路滋ビデオ会議ArtflowERNIE-ViLGグリムノーツEponym古文書ゴティエ・ボエダ音声クローニング凸版印刷Gautier Boeda階層的クラスタリングGopherAI-OCR画像判定JuliusSIE鑑定ラベル付けTPRGOxia Palus大澤博隆バーチャル・ヒューマン・エージェントtoio SDK for UnityArt RecognitionSFプロトタイピングクーガー田中章愛実況パワフルサッカー石井敦銭起揚NHC 2021桃太郎電鉄茂谷保伯池田利夫桃鉄GDMC新刊案内パワサカマーベル・シネマティック・ユニバースコナミデジタルエンタテインメント成沢理恵MITメディアラボMCU岩倉宏介アベンジャーズPPOマジック・リープDigital DomainMachine Learning Project CanvasMagendaMasquerade2.0国立情報学研究所ノンファンジブルトークンDDSPフェイシャルキャプチャー石川冬樹サッカーモリカトロン開発者インタビュースパコン里井大輝Kaggle宮本茂則スーパーコンピュータバスケットボール山田暉松岡 聡Assassin’s Creed OriginsAI会話ジェネレーターTSUBAME 1.0Sea of ThievesTSUBAME 2.0GEMS COMPANYmonoAI technologyLSTMABCIモリカトロンAIソリューション富岳初音ミクOculusコード生成AISociety 5.0転移学習テストAlphaCode夏の電脳甲子園Baldur's Gate 3Codeforces座談会Candy Crush Saga自己増強型AItext-to-imageSIGGRAPH ASIA 2020COLMAPtext-to-3DADOPNVIDIA GET3DデバッギングBigGANGANverse3DDreamFusionMaterialGANRNNグランツーリスモSPORTAI絵師ReBeLグランツーリスモ・ソフィーUGCGTソフィーPGCVolvoFIAグランツーリスモチャンピオンシップStability AINovelAIRival PrakDGX A100NovelAI DiffusionVTuberユービーアイソフトWebcam VTuberモーションデータ星新一賞北尾まどかHALO市場分析ポーズ推定将棋メタルギアソリッドVフォートナイトメッシュ生成FSMメルセデス・ベンツRobloxMagic Leapナップサック問題Live NationEpyllion汎用言語モデルWeb3.0マシュー・ボールAIOpsムーアの法則SpotifyスマートコントラクトReplica StudioAWSamuseChitrakarQosmoAdobe MAX 2022巡回セールスマン問題Adobe MAXジョルダン曲線メディアAdobe Research政治Galacticaクラウドゲーミングがんばれ森川君2号pixiv和田洋一リアリティ番組映像解析Stadiaジョンソン裕子セキュリティMILEsNightCafe東芝デジタルソリューションズインタラクティブ・ストリーミングLuis RuizSATLYS 映像解析AIインタラクティブ・メディアポケモン3DスキャンPFN 3D Scanシーマン人工知能研究所東京工業大学Ludo博報堂Preferred NetworksラップPFN 4D ScanSIGGRAPH 2019ArtEmisZ世代DreamUpAIラッパーシステムDeviantArtARWaifu DiffusionGROVERプラスリンクス ~キミと繋がる想い~元素法典FAIRSTCNovel AIチート検出Style Transfer ConversationOpen AIオンラインカジノRCPMicrosoft DesignerアップルRealFlowRinna Character PlatformiPhoneCALADeep FluidsSoul Machines柿沼太一MeInGameAmeliaELSIAIGraphブレイン・コンピュータ・インタフェースバーチャルキャラクター大規模言語モデルBCIGateboxアフォーダンスLearning from VideoANIMAKPaLM-SayCan予期知能逢妻ヒカリセコムGitHub Copilotユクスキュルバーチャル警備システムCode as Policiesカント損保ジャパンCaP上原利之ドラゴンクエストエージェントアーキテクチャアッパーグラウンドコリジョンチェックPAIROCTOPATH TRAVELER西木康智OCTOPATH TRAVELER 大陸の覇者山口情報芸術センター[YCAM]アルスエレクトロニカ2019品質保証YCAMStyleRigAutodeskアンラーニング・ランゲージ逆転オセロニアBentley Systemsカイル・マクドナルドワールドシミュレーターローレン・リー・マッカーシー奥村エルネスト純いただきストリートH100鎖国[Walled Garden]​​プロジェクト齋藤精一大森田不可止COBOLSIGGRAPH ASIA 2022高橋智隆DGX H100VToonifyロボユニザナックDGX SuperPODControlVAE泉幸典仁井谷正充クラウドコンピューティング変分オートエンコーダーロボコレ2019Instant NeRFフォトグラメトリartonomous回帰型ニューラルネットワークbitGANsDeepJoinぎゅわんぶらあ自己中心派Azure Machine LearningAzure OpenAI Service意思決定モデル脱出ゲームDeepLHybrid Reward Architectureコミュニティ管理DeepL WriteウロチョロスSuper PhoenixSNSProject MalmoオンラインゲームGen-1気候変動Project PaidiaシンギュラリティProject Lookoutマックス・プランク気象研究所レイ・カーツワイルWatch Forビョルン・スティーブンスヴァーナー・ヴィンジ気象モデルRunway ResearchLEFT ALIVE気象シミュレーションMake-A-Video長谷川誠ジミ・ヘンドリックス環境問題PhenakiBaby Xカート・コバーンエコロジーDreamixロバート・ダウニー・Jr.エイミー・ワインハウスSDGsText-to-Imageモデル音楽生成AIYouTubeダフト・パンクメモリスタ音声生成AIGlenn MarshallScenarioThe Age of A.I.Story2Hallucination音声変換LatitudeレコメンデーションJukeboxAIピカソVeap JapanAI素材.comEAPneoAIテンセントSIFT福井千春DreamIconDCGAN医療mignMOBADANNCEメンタルケアstudiffuse人事ハーバード大学Edgar HandyAndreessen Horowitz研修デューク大学NetflixAIQVE ONEQA Tech Nightmynet.aiローグライクゲーム松木晋祐東京理科大学下田純也人工音声NeurIPS 2021産業技術総合研究所桑野範久リザバーコンピューティングBardプレイ動画ヒップホップ対話型AIモデルソニーマーケティングControlNetサイレント映画もじぱnoteNBA環境音暗号通貨note AIアシスタント現代アートFUZZLEKetchupAlterationAI News粒子群最適化法Art Selfie進化差分法オープンワールドArt Transfer群知能下川大樹AIFAPet Portraitsウィル・ライト高津芳希P2EBlob Opera大石真史クリムトBEiTStyleGAN-NADA世界モデルDETRゲームエンジンDreamerV3SporeUnreal Engineクリティックネットワークデノイズ南カリフォルニア大学Unity for Industryアクターネットワーク画像処理DMLabSentropyGLIDEControl SuiteCPUDiscordAvatarCLIPAtari 100kSynthetic DataAtari 200MCALMYann LeCunプログラミングサム・アルトマン鈴木雅大ソースコード生成コンセプトアートGMAIシチズンデベロッパーSonanticColie WertzTRPGGitHubCohereリドリー・スコットウィザードリィMCN-AI連携モデルマジック:ザ・ギャザリング絵コンテUrzas.aiストーリーボード介護大阪大学西川善司並木幸介KikiBlenderサムライスピリッツ森寅嘉Zoetic AIプロンプトゼビウスSIGGRAPH 2021ペットGPT-4ストリートファイター半導体Digital Dream LabsPaLM APITopaz Video Enhance AICozmoMakerSuiteDLSSタカラトミーSkeb山野辺一記NetEaseLOVOT大里飛鳥DynamixyzMOFLINRomiU-Netミクシィ13フェイズ構造アドベンチャーゲームユニロボットADVユニボXLandGatoAGI手塚眞DEATH STRANDINGマルチモーダルEric Johnson汎用強化学習AIデザインOculus Questコジマプロダクションロンドン芸術大学生体情報デシマエンジンGoogle BrainインディーゲームSound Control写真高橋ミレイSYNTH SUPER照明Maxim PeterKarl SimsJoshua RomoffArtnomeハイパースケープICONATE山崎陽斗深層強化学習立木創太松原仁浜中雅俊ミライ小町武田英明テスラ福井健策GameGANパックマンTesla BotNEDOTesla AI DayWikipediaソサエティ5.0SphereSIGGRAPH 2020バズグラフXaver 1000ニュースタンテキ養蜂東芝BeewiseDIB-R倉田宜典フィンテック投資韻律射影MILIZE広告韻律転移三菱UFJ信託銀行

ゲーム制作現場ですぐに使える!モリカトロンのAIソリューション5種

2021.6.28モリカトロン

ゲーム制作現場ですぐに使える!モリカトロンのAIソリューション5種

2017年の設立以来ゲームAIを専門に開発してきたモリカトロン。この6月に、いよいよ「AIソリューション」として5つのAIをリリースしました。これまでもCEDECなどの場でQAの分野をサポートするAIツールが紹介されてきましたが、今回リリースされた5つはまさに制作の現場ですぐに使えるAIソリューションとなっています。

参考記事:【CEDEC2020】AIによるデバッグの自動化はどこまで進んでいるのか?

「現場ですぐに使える」に重点を置く

発表された5つのAIはソリューションとして、すぐに使えることが大きな特徴となっています。いずれも、普段に行っているクライアントワークや日々の研究開発の中から形になったものです。

図1 制作の現場における「こんなことできないかな」を形にする

導入しやすいよう、例えば「セリフの作成」であったり「会話の生成」であったり、機能ごとに切り出してあります。

  1. AIせりふサポート:大量のセリフの制作をサポートする
  2. AI会話ジェネレーター:会話を自動生成する
  3. AIパズルジェネレーター:3マッチパズルのステージを自動生成する
  4. AIアニメ制作サポート:アニメーションのコマ打ちを自動で行う
  5. COM DK::ゲームプレイを自動化する

今回、デモも交えてそれぞれのツールが紹介されました。

AIせりふサポート

「AIせりふサポート」は大量のセリフの品質管理を行うツールです。キャラクターのセリフの特徴をAIが学習することで、そのキャラクターが発言するに適したものかのチェックやディレクション作業をサポートしてくれます。

図2 AIせりふサポートの概要

多くのキャラクターが登場し、それぞれ大量のセリフを言うゲームの開発において、非常に大きな効果があると言えます。実際、セリフ作成の現場では、キャラクターごとの性格づけ、それに応じた設定を常に頭に入れ、使用する一人称の種類、語尾や言い方に工夫をしなければなりません。一連の作業を省力化するための機能として、次の3つが搭載されています。

  • セリフの分析:口調 、一人称、呼び方などを分析することで、そのセリフがキャラクターにマッチしているかどうかを分析する
  • 口調データの出力:学習したセリフを元に、キャラクターの口調データをまとめ資料自動生成する
  • 登録したセリフの検索:ツールに登録したセリフの全文検索

セリフの分析では、大量のセリフデータを学習させたモデルを使って、あるセリフがそのキャラクターのセリフだと推測できるかをAIで分析します。そのセリフがそのキャラクターに合っていないという場合は、別のキャラクターの候補を表示してくれます。そのほか、キャラクター同士の呼び方、単語の表記ミス、NGワードのチェック、さらには表示行数内に収まるかどうかもチェック可能です。

AIせりふサポートはブラウザで動作するウェブアプリとなっており、「一括チェック」「個別チェック」というように用意されたメニューから簡単に実行できます。例えば、個別チェックで「瑠璃」というキャラクターのセリフに合っているかどうか確認します。

図3 デモで使用するキャラクターの口調
図4 呼び方、人称、語尾が設定とは異なるセリフでチェック(1/2)
図4 呼び方、人称、語尾が設定とは異なるセリフでチェック(2/2)
図5 呼び方、人称、語尾が設定に沿ったセリフでチェック

図4のように、瑠璃の設定とはかけ離れたセリフを登録してチェックを実行すると、指定キャラ(瑠璃)との一致率は10.8%との結果が返ってきます。一方、図5が示すように瑠璃さんっぽいセリフに対しては一致率63%を返します。ちなみに、AIせりふサポートでは一致率が65%程度で「キャラクターにふさわしい」とみなされます。何となく100%となって初めて本人だとなりそうなのですが、キャラクターのセリフは名詞や動詞などの中身はほとんど同じで、異なるのは口調であるため、例えば100人分のセリフを大量に入れてある中で「ある人である確率が100%」はまずあり得ません。65%ぐらいだったら大体そのキャラだと分かるようになっているとのことです。

もちろん一括チェックも可能で、大量のセリフのトーン&マナーを一気にチェックできます。また、口調データから資料を自動生成でき、キャラクターの管理を容易にします。将来的にはセリフを自動生成する機能の実現も考えているようです。

 

AI会話ジェネレーター

AI会話ジェネレーターは自動的に会話を生成するAIです。想定する使用シーンはチャットボットやゲーム内のキャラクターとの会話になります。

図6 AI会話ジェネレーターの概要

実は、AIが人間と自然な雑談することは専門的な会話をするよりも非常に難易度が高いです。使われているのはGPT-2 (※1) ベースのAIモデルで、何を話しかけられても、適切な返事を返してくれます。現在、約1億5000万ペアの日本語の対話情報(会話コーパス)を学習させています。また、ユーザーが以前話したことを覚えておいて、会話の文脈を考慮し、より自然な流れで受け答えできるようになっています。

※1:2019年2月にOpenAIによって開発されたオープンソースのテキスト生成モデル

図7 AI会話ジェネレーターの仕組み
図8 AI会話ジェネレーターで作ったチャットボットとの雑談例

TwitterやLINE、Slack経由でボットから呼び出して、いかにも人間と話しているかのように、自然な会話ができるようになっています。このウェブAPIはRakuten Rapid APIに「GeneralTalker」という名前で登録してあります。お試しライセンス(無料)もあるので、実際にプログラムを組んで呼び出してみたい方はぜひ。

GeneralTalker:https://api.rakuten.net/morikatroninc-morikatroninc-default/api/generaltalker

もちろん、AIモデルを丸ごと自社サーバにインストールして、ゲームのプレイヤーとゲーム内のキャラクターがフレンドリーな会話を交わす用途に活用することできます。その場合、既存のキャラクターのセリフデータがあれば話し方を学習させることも可能です。ちなみに、200から300くらいのセリフデータがあれば、そのキャラクターの口調を真似た形で話せるようになるとのことです。

AIパズルジェネレーター

AIパズルジェネレーターは、ステージのサイズや難易度といったパラメーターを与えると自動でステージデータ(JSON形式)を生成してくれるツールです。現在、基本的な3マッチパズルゲームが内部に実装されており、これは3マッチパズルの開発運営を行うデベロッパー、パブリッシャー向けの製品という位置づけです。

図9 AIパズルジェネレーターの概要

こちらもウェブアプリとして用意されており、ブラウザ上で動作します。

パズルは非常にパラメーターが多く、それらを全部設定できるようになっています。もちろん、ルールのカスタマイズも可能、ステージ単位で難易度の数値を設定できるので、バランス調整も容易になります。また、パズルのステージをどういう形でクリアしたと判断するかのミッションも設定できます。生成したパズルをオートプレイで評価するようになっています。これは、パズルを生成したけどクリアできない状況を回避するためです。

想定する利用シーンとしては、パラメータを設定し自動生成させ、テストまでAIが行う、あとは人間(プランナー)が選ぶだけ、ということになります。

図10 パズルゲームを自動生成し、オートプレイでテストまで行える

このAIパズルジェネレーターの開発はAI自身にゲームのルールを作らせることはできないかという発想が発端でした。現段階では、とりあえずパズルのレベル生成ができるところまで製品化しています。今のところ不整合がないパズル画面であることをAIが判断するに留まっていますが、将来的には面白い盤面の評価までAIができる段階まで進めていきたいとのことです。

AIアニメ制作サポート

AIアニメ制作サポートは、アニメーションのコマ打ちを自動化するツールです。3Dモデルで作られたアニメーションのぬるっとした動きをメリハリのある動きに自動的に変換します。想定するのは、ゲームやアニメーションなどのコンテンツ制作での活用です。

図11 AIアニメ制作サポートの概要

AIツール「AnImator」が自動的に必要なキーフレームを選出し、動きの質を落とさずに2Dアニメ的なコマ打ち表現を実現します。

図12 3Dで作成したモーションデータを読み込み、適用する手法およびパラメータを指定し変換。すると、自動的に最適なフレームが選択されるのでモーションに適用する(デモではBlenderで作成したデータを使用)
図13 均一にフレームを間引いた場合と比較するとメリハリのある動きになっていることがわかる。この動きでは一番見せたい、上げた足が伸び切った瞬間を強調することができている

もちろん、これまで人の手で修正していたコストの削減も可能、また既存の3Dモーションデータのリソースを流用できるため、作画コストの圧縮が期待できます。

COM DK

COM DKはゲームプレイを自動化するツールです。コンピュータープレイヤー、いわゆるCOMにゲームをプレイさせるための仕組みです。自動プレイヤーとかAIプレイヤーを作ってみたいゲーム開発会社での利用が想定されています。

図14 COM DKの概要

ゲームプログラムとCOMを仲介するライブラリで、ゲームの進行状況をCOMに伝え、逆にパッド操作の情報をゲームに伝えます。両者の仲立ちとしてデータを渡す役割を果たします。

 

デモで動かしているのは、Unreal Engine4のサンプルゲームです。プレイヤーがパッドで動かすところを、COM DK経由でプログラムに操作させています。COM DKはもともとモリカトロンで格闘ゲームのAIプレイヤーを作ったときのプログラムの一部でした。それに汎用性を持たせる形でライブラリとして切り出した形になっており、ゲーム開発会社が自社のゲームのためのAIプレイヤーを自分たちで作れる環境を提供しようという意図で製品化したものです。

自動プレイヤー/AIプレイヤーのメリットは、人間のプレイに対して圧倒的にコストが安いことです。コンピューターに任せておけば夜中でもどんどんプレイしてくれますし、コンピューターの台数を増やせば何人でもプレイヤーの数を増やせます。例えば、パフォーマンス計測や、メモリリークのチェックのためにずっと回し続けるといった使い方も可能です。蓄積したデータをもとに統計的に分析することも可能でしょう。

コンサルティングや共同研究も

今回リリースされたAIソリューションのうち、AIパズルジェネレーターはカスタマイズして納品、また他のツールに関してもリクエストがあれば受け付けるとのことです。

また、モリカトロンでは、今回発表となったAIソリューション以外にも、個々のゲームやアプリに合ったAIの開発をメインに進めながらコンサルティングや共同研究を行っています。特に、ゲーム業界以外の人たちとコラボレーションすることで気がつかなかったゲームAIの使い方も生まれてくると森川幸人さんは言います。

自社の色々なサービスやデバイスとAIと組み合わせることで、何かシナジー効果を起こして新しい遊びができるのではないかと、自分たちにとっても非常に楽しいですね。一緒に共同研究していくようなパートナーをまだまだ募集しています(森川幸人氏)

図15 モリカトロンのAI研究の全体像(イメージ)

Writer:大内孝子

RELATED ARTICLE関連記事

生活にとけこむAIとの生き方を考える:学校関係者×AI体験コンテンツ開発者による座談会 後編

2022.11.08モリカトロン

生活にとけこむAIとの生き方を考える:学校関係者×AI体験コンテンツ開発者による...

【お知らせ】モリカトロン開発者ブログ、始めました。

2020.3.24モリカトロン

【お知らせ】モリカトロン開発者ブログ、始めました。

【CEDEC2019】AIは今どこまでゲームのデバッグをできるのか?

2019.9.30モリカトロン

【CEDEC2019】AIは今どこまでゲームのデバッグをできるのか...

RANKING注目の記事はこちら