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Google Earthからゲーム背景を生成可能に。広がるゲーム開発における画像生成AI活用術
昨年起こった画像生成AIの台頭は、クリエイティブ業界の働き方に大きな影響を与えつつあります。影響を受けている業務のなかにはゲーム開発があり、すでに画像生成を活用したノウハウが公開されています。本稿ではこうしたノウハウを紹介することで、画像生成がゲーム開発に与える影響を明らかにします。
Google Earthから「ディストピア風のメトロポリス」を生成
AIスタートアップのGEPPETTO AIは、AIツールによってゲーム開発と映像制作を支援することを基幹業務と定めて創業された企業です。同社によれば、AIツールはゲーム開発と映像制作を効率化するだけではなく、「AIゲーム」「AI映画」といった新しい表現形態を創出する可能性があります。こうした理念にしたがい、同社はAIツールによるゲーム開発のノウハウを公開しています。
GEPPETTO AIが支援している実験的ゲーム開発プロジェクト「Tales of Syn」の公式サイトで2023年2月24日に公開されたブログ記事では、Google Earthと画像生成ツールを組み合わせてゲーム背景を制作するノウハウが紹介されています。
以上の記事によるとクォータービューのゲーム背景を制作するにあたって、当初は航空写真を入力とする方法を模索していました。しかし、生成したい画像のイメージに近い航空写真を見つけるのは困難でした。こうしたなか、Google Earthから焦点距離をカスタマイズして画像を取得するノウハウがあることを知り、以下のような画像群を入力として採用することにしました。
以上の画像群を入力として、任意の画像からスタイルが異なる画像を生成するツールDreambooth-Stable-Diffusionを使って、試しにゲーム背景を生成してみました。その結果、クォータービュー形式の都市のシーンのような画像が得られましたが、よく見ると道路が不自然に曲がっていたりしていて品質に満足にいくものではありませんした。
上記の方法を使って、プロンプトに「中世の城」を追加して画像生成を実行しました。この生成では、複雑な形状の城に関するクォータービューが得られました。この生成事例のほかにも「スチームパンク」や「火星基地」をプロンプトに入力してみたところ、全体的に淡い色調になってしまうという欠点が発覚しました。
鮮やかな色調のクォータービューを生成するために、画像生成ツールをStable Diffusion web UIに変更しました。このツールを使って「ディストピア」「メトロポリス」をプロンプト入力したところ、以下のような画像が生成されました。こうしてイメージしていたゲーム背景の制作に成功したのでした。
好きな画像や手書き画像から背景やキャラクターを生成
Tales of Syn公式サイトのほかの記事では、Stable Diffusion web UIの設定値を変えてゲーム背景を生成するノウハウが紹介されています。同ツールでは画像生成時にプロンプトに対してどの程度忠実に従うかを設定する「CFG Scale」と、生成処理数を設定する「Steps」が設定できます。一般にCFG Scaleが大きいほどプロンプトが反映され、Stepsが大きいとノイズの少ない画像となります。しかし、どちらの値も大きいほど良いというものではなく、ユーザはこれらの設定値を変えながら欲しい画像を生成することになります。記事の事例では、CHG Scaleが16でStepsが100の画像が採用されました。
生成した画像を所望のサイズにするには、生成画像を外側に拡大するアウトペインティングを使います。この技法を実行するには、Photoshopから画像生成機能を使えるようにするツールAlpaca Stable Diffusionプラグインがおすすめです。
ゲーム背景を制作するには、さらに生成画像の画素数を上げるimg2imgを実行して4K画像にしたうえで、複数の生成画像をつなぎ合わせる必要があります。こうした処理にもAlpaca Stable Diffusionが使えます。
キャラクターを制作する記事も公開されており、その制作過程ではStable Diffusion web UIのimg2imgが使われています。キャラクター制作におけるimg2imgは画素数を上げるのではなく、ラフスケッチからディテールを生成するのに使います。こうして生成されたキャラクターの2D画像をもとにして、CGアプリZBBrushのDynaMeshツールを使って3D化してゲーム画面で操作できるようにします。
Tales of Syn公式YouTubeチャンネルでは、以上のように制作したゲーム背景のなかをキャラクターが動く様子を収録した動画が公開されています。この動画を閲覧した限りでは、とくに不自然さや違和感はないようです。
3Dオブジェクト生成技術も開発中
GEPPETTO AIは前述のような既存の画像生成ツールの利用ノウハウを公開するだけではなく、同社自身の画像生成ツールも開発しています。同社に関連したツイッターアカウントThe Culture DAOは、同社が開発中のテキストから3Dオブジェクトを生成するツールのデモ動画をツイートしています。
Experimenting with @Gepettoai and POINT-E : 3D generation of interactable objects.
— The Culture DAO (@theculturedao) December 30, 2022
As AMAZING as static pictures generation is – getting 3D to work real-time is the first step to the holodeck (create-interact with-edit anything in your imagination). pic.twitter.com/sfpvLpQ41M
以上のツイートを見る限りでは、生成された3Dオブジェクトはポリゴン数が少なめのやや粗いものではありますが、高速で生成されているようです。このツールは、OpenAIが2022年12月に発表した3Dオブジェクト生成ツール「Point-E」をベースに開発されています。オープンソースで公開されたPoint-Eの特徴はオブジェクトを頂点と面の集合ではなく点の集合と捉えて、多数の点を描画することで3Dオブジェクトを生成するところにあります。こうした着想により、同ツールはGoogleが開発した3Dオブジェクト生成モデルDreamFusionをはじめとした同種のツールと比較して高速の描画を実現しています。
Point-Eの欠点は、粗い3Dオブジェクトしか生成できないところにありました。しかしながら、GEPPETTO AI開発のツールはPoint-Eの欠点をある程度克服しているように見えます。なお、このツールの開発進捗はGDC 2023で発表される予定です。
以上に紹介したように、画像生成ツールはすでにゲーム開発に活用できる程度に成熟しつつあります。そして、人力での作業を削減できるこうしたツールは、開発予算の限られたインディーズゲームスタジオを大いに助けることでしょう。それゆえ、長期的に見れば、画像生成ツールはゲーム業界をより豊かにすることでしょう。
Writer:吉本幸記