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ゲーム運営をディープラーニングでサポートするYOKOZUNA dataの全貌

2019.6.21ゲーム

ゲーム運営をディープラーニングでサポートするYOKOZUNA dataの全貌

オンラインゲームビジネスの要ともいえるのが、ユーザーの行動履歴というビッグデータの活用です。しかし、多くの企業ではデータサイエンティストを雇用する余裕がありません。こうした中、ディープラーニングなどAIの技術でゲーム運営を支援するYOKOZUNA dataの存在は、世界的に見ても異彩を放っています。同社CEOでリサーチヘッドのアフリカ・ペリアネーズ氏と、リード機械学習エンジニアのチェン・ペイペイ氏にサービスの概要について伺いました。

ユーザーの行動ログから未来を予測

——ひとことで言って、YOKOZUNA dataって何なんでしょうか?

オンラインゲームで一人ひとりのプレイヤーの行動を予測できるソリューションです。リアルタイムに予測することもできますし、スタジオごとに1時間ごと、1日ごと、1週間ごとといった具合に、適切な間隔を決めることもできます。はじめにゲーム会社からユーザーの行動ログデータをいただきます。それをもとにプレイヤーの日々の行動ログを収集・分析し、可視化したうえで、予測します。すべての操作はブラウザ上で完結しています。

——デモを見ることはできますか?

もちろんです。ブラウザからログインするとダッシュボードが表示されます。一番上に今日の売上予測、今月の売上予測などが表示されます。生存(離脱)予測の欄ではプレイヤーの今日の生存予測、10日間の生存予測、1カ月の生存予測などが表示されます。イベント推奨欄では、どういったイベントを行えば、来月の売上やプレイ時間などが最大化できるかの予測が表示されます。個々のプレイヤーごとにユニークIDがふられていて、それぞれの予測が得られます。

——プレイヤーの行動を個別に予測できるのはすごいですね。

はい。ただ、離脱予測をしたら、次は離脱しないように手を打ちたくなりますよね。そこで「*日以内に離脱する人」といった具合に条件検索をして、一斉にプッシュ通知でお知らせなどをメールすることができます。このとき、アイテムやバーチャルマネーなどを送ることもできます。これによって離脱率を下げられるというわけです。

——なるほど。

逆に過去の行動履歴から個々のプレイヤーが将来、どのようなアイテムを購入するか、といったことを予測することもできます。この機能をプッシュ通知機能と組み合わせて、プレイヤーごとに個別のアイテムを送ることもできます。自分がほしいアイテムがもらえると、続けたくなりますよね。

——たしかに

ポイントはこれらの処理が自動化できるということです。ゲーム運営者はモニターとにらめっこすることなく、一度自動化の設定をすれば、すべてのプレイヤーに違う条件で最適なプッシュ通知を行うことができます。

——これらのサービスは個々のゲームでカスタマイズ可能ですか? それとも、すべてのゲームで同じサービスを使用する感じでしょうか?

基本的にはすべてのゲームで同じ機能を使っていただきますが、大型のタイトルでそうした希望があれば、カスタマイズすることも可能です。ただ、相応のコストもかかります。最先端のテクノロジーをふんだんに使っていますし、弊社ではデータサイエンティストやAIエンジニアなどを多数雇用していますからね。だからこそ、どのゲームでもすぐに使ってもらえるように、汎用的なサービスにすることを心がけています。

——ビジネスモデルはどのような形になりますか?

私たちの考え方はミドルウェアやゲームエンジンと似ています。「ゲームが成功すれば、私たちも利益が得られる」というわけです。そのためゲームの規模によって利用料が変わります。ゲームにもよりますが、ユニークユーザー1人につき毎月1円というのが標準的な価格です。

——過去のデータの分析だけでなく、AIを活用して、未来の予測もしてくれるところが特徴ですね。ゲームの運営会社からすれば、データサイエンティストを雇用する必要が無くなります。

そうですね。

——ゲームディベロッパーがYOKOZUNA dataを活用する際、プログラムの改修などは必要ですか?

必要ありません。ゲームの種類によらず、こちらですべて処理します。YOKOZUNA dataはAWS上で展開されていて、データのつなぎこみのためのAPIが存在します。これを経由して行動ログデータを弊社のサーバにアップロードしていただくだけで大丈夫です。

——オンラインゲームであれば、ネイティブアプリでもブラウザゲームでも、ゲームの種類によらず接続できるということですか?

そうですね。これは我々の機械学習の強みだと思います。ひとつの分析・予測モデルを作ることで、さまざまなゲームに活用できるのです。PCでも家庭用ゲームでも、ハードやジャンルによることはありません。

——ローンチ時ではなく、サービス中のゲームでも対応可能ですか? ゲーム会社からすれば、ヒットするか否かわからない段階では、YOKOZUNA dataを使うメリットが感じられない。一方で、ある程度ヒットした段階で、あらためて契約したい、といった要望が出てくると思います。

いつでも問題ありませんが、できるだけ早い段階をお勧めします。「成功したら導入したい」という要望に対しては「ぜひローンチ時から使ってみてください。そうすれば成功に役立ちますよ」とお答えしたいですね(笑)

——AIを使ってデータを分析し、それを元に予測するのであれば、データがゼロの時、すなわちローンチ時に導入するメリットは何になるのでしょうか?

もちろんデータがゼロでは意味がありません。ただ、データが少しでもあれば、そこから何らかの意味が出てきます。また、過去に同じようなゲームをサービスされている場合は、そのデータを解析することで、運営の参考にすることもできます。

——ちなみに個別管理できるプレイヤー数の最大値って何なのでしょうか? どれくらいのスケールにまで対応可能ですか?

特に制限がありません。そのようなデータの持ち方をしていますし、それを可能にするための分散式システムを構築しています。

プレイヤーごとにパーソナライズされたゲーム体験を創出したい

——世界中の学会や開発者会議で積極的に発表や講演をされていますね。

はい、できるだけ技術をオープンにしていくことをモットーとしています。それによって、逆にさまざまな知見が得られるからです。弊社は十数人程度の非常に小さな会社ですが、おかげさまで機械学習に関する世界中のイベントで発表したり、招待講演の機会をいただいています。他に機械学習に関する書籍も共同執筆中です。

——コンテストでも優秀な成績を収められていますね。

2017年8月にIEEE 2017 Conference on Computational Intelligence in Gamesで開催されたゲームデータマイニングコンテストに応募し、チャーン予測コース(どのプレイヤーがゲームを止めようとしているかを予測)とサバイバル分析コース(各プレイヤーがゲームを後どの位の期間プレイするかを予測)の両部門で優賞しました。NCSOFT社のゲーム『ブレイドアンドソウル』のプレイヤーデータセットを使って行われたもので、Yokozuna Dataの予測精度がモバイルゲームだけでなく、MMORPGでも有効であることが示されました。

——2018年11月に米シアトルで開催されたIEEE BigData 2018では、画像認識に良く使われるAIアルゴリズムであるCNN(=Convolutional Neural Network、畳み込みニューラルネットワーク)を活用して、プレイヤーの行動の未来予測を行うという技術講演も行われています。

CNNはYOKOZUNA dataで使用している、さまざまなAIアルゴリズムのひとつです。画像認識だけでなく、時系列に沿って変化するさまざまなデータの解析に活用できます。画像認識では大量の二次元情報をもとに抽象化を試みますが、時系列による変化は一次元情報と捉えられますよね。YOKOZUNA dataでは、この特性を活用して、プレイヤーの課金行動に関する未来予測を行っています。

——おもしろい活用法ですね。

同じようにYOKOZUNA dataでは、さまざまな用途でさまざまなAIアルゴリズムが活用されています。自社サイトに論文も掲載されていますので、興味がある方がいれば、ぜひチェックしてみてほしいですね。

——YOKOZUNA data開発のきっかけは何でしたか?

もともと私は理化学研究所で気象衛星ひまわりから送られてくる、気象情報をはじめとした観測ビッグデータの解析に関する研究を行っていました。そこでシリコンスタジオがゲームのデータサイエンティストを探しているという情報を知り、コンタクトをとりました。その時は自社で運営しているゲームの解析を行える人が求められていたのですが、そこでオンラインゲームのデータ解析が汎用的に行えるサービスの開発を逆提案したんです。それがきかっけになって、YOKOZUNA dataの開発がスタートしました。

※その後、YOKOZUNA dataはシリコンスタジオの手を離れて、2018年からキーワーズ・インターナショナルの傘下に移行した

——興味深いですね。ただ、そもそもなぜゲーム業界に興味を抱かれたのでしょうか?

データ解析がビジネスになると思ったからです。ゲーム業界にはオンラインゲームのユーザー行動ログという、高い品質の情報が大量に存在します。しかし、多くの企業ではそのデータを十分に活用できていません。そこでデータサイエンスを通して、ゲーム開発の手法を革命的に進化させることが可能だと思いました。

——そうはいっても自動車、金融、バイオテクノロジーなど、より大きな業界はありますよね。どの業界でもAI技術は求められています。ゲーム業界ならではの魅力はなんでしょうか?

ゲーム業界もけっこう大きいですよ(笑)。それに、ゲームでは「人間の行動」がデジタルデータに変換されて、記録されていますよね。それによって「人間はどういった時にどれくらいのリスクを取るか」など、人間行動学的な分析ができます。そこが面白いところですね。

——YOKOZUNA dataはゲーム業界に最適化されていますが、他業界で応用することはできますか? たとえば音楽配信プラットフォームなどにも向いているように感じました。

たしかに会員の離脱予測といったアルゴリズムは、音楽配信プラットフォームにも向くでしょうし、医療や保険業界でも応用可能かもしれません。ただ、私たちはゲーム業界にフォーカスしていますし、YOKOZUNA dataの親会社であるキーワーズもゲーム業界の企業です。それに私たちの会社はまだ非常に小さいので、あまり多くの分野に手を広げることはできません。そのため、YOKOZUNA dataはゲーム業界に最適化しています。

——では、ゲーム業界での活用事例について教えてほしいのですが、クライアントは何社くらいあるのでしょうか?

NDAに抵触するので詳細はあかせませんが、大手を中心に十社程度と契約していて、そのうち半数が日本の企業です。

——運営のログデータをAPIを介して提供するという点で、日本企業はセキュリティを気にして、難色を示しそうな気がしますが、実際はどうですか? 

気持ちはわかりますし、実際にそうした懸念をいただくこともありますが、セキュリティには万全の自信を持っています。御社のサーバがオンプレミスでもクラウドでも、特に変わりはありません。

——今後のアップデートの予定はありますか?

具体的なアップデートの予定などは未公開ですが、将来的にはプレイヤーごとにパーソナライズされたゲーム体験を提供していきたいですね。YOKOZUNA dataでは個々のプレイヤーの行動を識別し、分析し、予測することができますので、それとゲームメカニクスやレベルデザインなどを組み合わせられればと思っています。もちろん、今すぐにどうこうという話ではなくて、遠い未来の目標です。一歩ずつ進んでいきたいですね。

——最後に今後のイベント情報などがあれば教えてください。

CEDECと東京ゲームショウでブース出展をする予定ですので、ぜひいらしてください。デモ版や、1カ月間の無料トライアルサービスなども行っていますので、お問い合わせいただければ幸いです。

Writer:小野憲史

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