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AIキャラ育成やAI生成クエスト制覇で稼ぐ。AI駆動型NFTゲームの試み

2022.5.24先端技術

AIキャラ育成やAI生成クエスト制覇で稼ぐ。AI駆動型NFTゲームの試み

NFTが発明されて程なくして登場したNFTゲームは、当初はアイテムやキャラクターをNFTに置き替えたものにとどまり、こうしたゲームが標榜する「Play to Earn(P2E:プレイして稼ぐ)」が賛否両論を巻き起こしました。その後、AIをゲームシステムに組み込んだNFTゲームが開発されるようになりました。本稿では楽しむことと稼ぐことの両立を指向するAI駆動型NFTゲームの3つの事例を紹介します。

ファンシーなAIキャラクターを育成する「FUZZLE」

Gala Gamesが開発した「FUZZLE」は、AIで駆動するファンシーなキャラクターであるFUZZLEを育成するゲームです。9,997体用意されたFUZZLEには1体ごとにユニークなグラフィックと能力がランダムに設定され、暗号通貨イーサリアムを使って購入します。それゆえ、それぞれのFUZZLEがNFTキャラクターとして唯一的に存在しています。

FUZZLEを購入したプレイヤーは、このキャラクターと音声会話ができます。FUZZLEの会話能力はGPT-3を流用することで実現しているので、チャットボットよりはるかに柔軟な会話を楽しめます。同キャラクターの会話に合わせたアニメーションも実装しており、見た目にも楽しいコミュニケーションが可能です。

FUZZLEを育成するにはミニゲームやイベントに参加したり、さらにはストーリーテリングモードをプレイしたりすることでレベルアップさせます。ミニゲームやイベントのなかには報酬が設定されているものがあるので、FUZZLEを使って稼げます。また、現在「ナレーターインジェクション」と呼ばれるシステムを開発しています。このシステムは、AIが生成するイベントによってFUZZLEを進化させるというものです。

以上のようなFUZZLEは、2022年5月に最初のFUZZLEを販売することで始動しました。今後の開発計画としては、所有しているFUZZLEを使ってミーム動画を制作できるようにしたり、他のFUZZLEと交流できるようにしたりする予定です。こうしたゲームシステムが実装されれば、同ゲームはAI駆動型AIキャラクターを介したSNSコミュニティの側面を持つようになるでしょう。

自律的エコシステムの実現を目指す「Alteration」

「変更」「改変」を意味する英単語をゲームタイトルにした「Alteration」は、伝統的なファンタジー世界に機械のキャラクターも登場するサイバーパンクファンタジーオープンワールドRPGです。同ゲームにはAI駆動型のNPCが登場し、クエストはAIによって自動生成されます。

AlterationのNPCは、AIが実装されていることにより型にはまることなくプレイヤーと柔軟に会話できます。NPCは他のNPCを認識できるので、NPCが置かれた状況によってさまざまに会話します。また、各NPCは各プレイヤーとのインタラクションを記憶しているので、ゲームプレイが進むほどプレイヤーとNPCの関係はユニークなものになります。

AIが生成するクエストには探索、戦闘、略奪などがあり、クエストをクリアするとNFTを取得できます。さらにNFTを組み合わせて新たにより強力なNFTを作るクラフトも可能です。取得したNFTは、マーケットプレイスで販売できます。

Alterationで特筆すべきゲームシステムは「鉱山(Mines)」です。同ゲームにおける鉱山とは、NFTが採掘できるゲーム内エリアを指します。鉱山からNFTを採掘するには、ワーカーが必要となります。ワーカーとは採掘のみを実行する特殊なNPCであり、ワーカー自体もNFTとしての価値が設定されています。ワーカーの採掘能力はNFTの価値に比例するようになっています。こうした鉱山を開拓すると、プレイヤーはクエストをクリアしなくてもNFTを獲得できるようになります。

以上のようなゲームシステムにより、プレイヤーはAlterationをプレイすればするほどNFTを獲得できるようになっています。つまり、物理世界における活動と直接的な対応関係のないゲームプレイから物理世界でも価値のあるNFTを取得できるのです。Alterationは、物理世界に依存せずに貨幣的価値を算出する自律的エコシステムを実現しようとしていると言えます。同ゲームは2022年第3四半期にアーリーアクセス版をリリースし、2022年第4四半期にはモバイルアプリもリリース予定です。

NFTキャラクターでサッカーをプレイする「AIFA」

Altered State Machineが開発中の「AIFA」(Artificial Intelligence Football Associationの略称)は、オールスターズと呼ばれる4体のNFTキャラクターにサッカーをプレイさせるゲームです。同キャラクターは、ボックスと呼ばれるアイテムをNFTマーケットプレイスOpenSeaからイーサリアムを使って購入すると入手できます。

ボックスのなかには、オールスターズのほかにASMブレインと呼ばれるNFTが同梱されています。このNFTはオールスターズの頭脳を司るもので、これを実装することでオールスターズはサッカーがプレイできるようになります。各ASMブレインにはユニークな戦術「ゲノムマトリックス」が設定されており、オールスターズはこの設定された戦術にもとづいてプレイします。ASMブレインは、ASMゲノムマイニングと呼ばれる機能を使うと、プレイヤーが新たに戦術を設定できます。

プレイヤーは、AIFAのアリーナで開催されるサッカーリーグに参加させることを通してオールスターズを強化していきます。リーグで上位になると、ゲーム独自の暗号通貨ASTOトークンを獲得できます。同ゲームのplay to earnの仕組みは、オールスターズにサッカーをプレイさせることで稼ぐ、ということになります。

現在AIFAはASTOトークン流通システムまで開発が完了しており、AIFAプレシーズンを経て最初のリーグ戦が始まりますが、具体的なリーグ開始時期は未定です。

以上に紹介したAI駆動型NFTゲームは、課金することでAIキャラクターの強化や貴重なNFTの入手ができないようにする一方で、プレイを通してNFTを入手できるようにすることでゲームの「楽しむ」側面を担保していると考えられます。ゲームをプレイする楽しさを損なわない業界標準的なplay to earnのゲームシステムが確立されていないなか、AIを活用して魅力的なPlay to Earnの仕組みを作ろうとする試みは今後注目されることでしょう。

Writer:吉本幸記

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