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サッカーからドローンレースまで。各社が開発するフィジカルスポーツプレイAIを紹介
チェスや将棋といったマインドスポーツは古くからAI研究のテーマとして採り上げられてきましたが、最近ではフィジカルスポーツをプレイするAIも開発されています。チェスや将棋にはないチームプレイや攻守が入り乱れるリアルタイム性が求められるものもあるフィジカルスポーツは、AIの進化をうながす研究テーマと言えます。この記事では、そんなフィジカルスポーツプレイAIの事例を3つ紹介します。
Kaggleでコンテストが開催中の「Google Research Football」
Google Research Footballは、2019年6月にGoogleのAI研究チームが発表した強化学習AIの開発環境です。この開発環境を使うと、サッカーをプレイするAIをさまざまな強化学習アルゴリズムを使って開発することができます。GPUを使ってAIの挙動を現実のサッカープレイヤーがプレイするようなリアルなグラフィックで表現するモードとGPUでレンダリングしないモードが用意されており、レンダリングをOFFにすればシミュレーションのパフォーマンスを重視した処理が可能となります。
Google Research Footballには、様々な設定と種類の対戦相手が用意されています。環境と対戦相手の挙動にランダム性がある確率モード(このモードがデフォルト設定)と、ランダム性のない決定論モードがあります。対戦相手はルールベースのアルゴリズムにもとづいてプレイし、その強さに応じてEasy、Medium、そしてHardの3種類が用意されています。さらにこの開発環境自体が強化学習環境として有名なOpenAI GymAPIと互換性があるので、後者の開発環境で作られたAIを流用することも可能となっています。
2020年10月時点で世界最大の機械学習コミュニティであるKaggleにおいて、Google Research Footballを開発環境としたサッカープレイAIの強さを競うコンテスト「Google Research Football with Manchester City F.C.」が開催されています。コンテスト名から変わる通り、イギリスのプレミアリーグの強豪マンチェスター・シティが主催しており、賞金として6,000ドルが設定されています。腕に覚えのある開発者は、このコンテストに自作のAIを応募してみるのもよいでしょう。
プレイ動画から学習した「BasketballGAN」
NVIDIA所属の研究員と台湾の国立交通大学の研究者から構成された研究チームが2019年10月に発表した「BasketballGAN」は、バスケットボールのプレイを再現するAIです。AIの名称からわかるように、開発手法には敵対的生成ネットワーク(Generative Adversarial Network:GAN)が活用されました。具体的にはスポーツのプレイに関する統計情報を提供するStats Perform社から得た2015-2016年におけるNBAの600試合分のデータを学習データとして、実際の試合におけるプレイヤーの挙動を模倣するようにAIを訓練しました。
完成したBasketballGANのUIは、バスケットボールのハーフコートを表す模式図のなかに表示される赤と青の円(赤と青がそれぞれ5個)から構成されており、ウェブブラウザで動かすことができます。円がバスケットボールプレイヤーを表しており、例えば動かしたい円をダブルクリック後に動かしたいところまでドラッグすると、円が移動します。このようにして攻撃側のチームを表す5つの赤の円の動きをすべて設定してプレイを再生すると、攻撃側の動きに合わせて青の5つの円がディフェンスします。結果的にハーフコートの模式図のなかで、バスケットボールプレイヤーを表す10個の円がリアルタイムに動くことになります。
研究チームは、BasketballGANが生成するプレイが実際のそれとどの程度似ているか確かめるために、バスケットボールのルールを知っている50人を対象としたテストを実施しました。テストは2種類実施され、ひとつ目は本物のプレイをシミュレートしたものと同AIが生成したプレイをランダムに見て本物かAIによる模倣かを答えてもらい、ふたつ目では本物とAIによる模倣を並べて見せてどちらが本物かを答えてもらう、というものでした。このテストの結果、平均的な正答率が56.17%でした。正答率が50%に近いほど完全に当てずっぽうに回答しているのと変わらず区別できていないことを意味するのを考慮すると、このテスト結果からBasketballGANは本物のプレイに近いものを再現している、と言えるでしょう。
AIドローンの大会「Game of Drones」
近年急速に普及して国際的なエアレース大会も開催されるようになったドローンに関して、マイクロソフトは世界的な機械学習に関するカンファレンスNeurIPS 2019において、ドローンシミュレーターを自動操縦するAIのコンテスト「Game of Drones」を開催しました。
Games of Dronesではマイクロソフトが提供するドローンシミュレーター「Microsoft AirSim」を開発環境にして作られたAIが、3つの競技におけるタイムを競いました。その3つとは、以下の通りです。
- Tier 1:マイクロソフトの研究チームが開発したドローンAIと一対一の対戦レースを行う種目。対戦相手にぶつかることなく、レース場に設置されたゲートを通過しながらゴールするまでのタイムを競う
- Tier2:対戦相手がいない状態で、レース場のゲートを通過してゴールするまでのタイムを競う種目。ただし、ゲートの位置は事前にわからず、ドローンAIが飛行中に知覚して通過する必要がある
- Tier3:Tier 1とTier 2を組み合わせた種目
以上の種目に関して世界中から多数の研究チームが参加し、決勝戦にはTier 1は7つ、Tier 2には4つ、Tier 3には3つの研究チームがタイムを競って、それぞれの種目の優勝者を決めました。優勝したチームのドローンAIに関する論文は、こちらから閲覧できます。
ちなみに、NeurIPS 2020で開催されるコンペティションをまとめたウェブページを閲覧すると、2020年にはOpenAIが開発したゲームプレイに関するベンチマーク「Procgen」のスコアを競うコンテストやかくれんぼに関するコンテストが実施される予定です。
以上のようにさまざまなフィジカルスポーツをプレイするAIが、多様な手法を用いて開発されています。こうしたAIの研究開発はAIの進化をうながすだけではなく、テーマとなったフィジカルスポーツの理解を深めるきっかけももたらしてくれるのではないでしょうか。
Writer:吉本幸記