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ロボット向けファッションが再定義するテクノロジーと人のより良い関係
2019年11月5日、同月1日にグランドオープンした渋谷スクランブルスクエア内の複合施設SHIBUYA QWSにて、ロボット用ウェアのファッションショー「ロボコレ2019」が行われました。QWSのロビーには開場前から全国から多くのロボットファンが集まり、自作のウェアやアクセサリーで着飾ったロボホンやaiboたちとともに交流を楽しんでいました。女性がとても多く、ロボットを家族として自然に受け入れている様子が印象的でした。


主催企業のRocket Road株式会社はロボット用のユニフォームブランド「ROBO-UNI(ロボユニ)」を展開しています。同社の創業者・代表取締役の泉幸典氏は、人とテクノロジーのより良い関係を構築していく手段として、ロボットアパレルのビジネスを発案しました。人の社会にロボットが進出していく際、彼らとどのように接して良いのか戸惑う人は少なくありません。その結果、そこにいないものとして無視したり、時には脅威として敵対心を持つことさえあります。
ユニフォームは個を社会化させるための手段です。泉氏はPLANTSのインタビューで、日本に洋装が普及し始めた明治時代に、いち早く近代ユニフォームを導入した組織が鉄道と警察、病院だったと語りました。それぞれの職種に応じた服装が、その人はどんな役割を持ち何を頼めば良い相手なのかを視覚的に識別できる記号として機能したのです。
それと同じことがロボットにも言えます。ロボユニのユニフォームは銀行やデパートなどでお客様を案内するロボットに導入されました。最初はPepper(ソフトバンク)用のユニフォームから、徐々にkibiro(FRONTEO)やSota(ヴイストン)といったコミュニケーションロボット、英会話用ロボットMusio(AKA)など、対応するロボットの種類を増やしていきました。
そしてロボコレ2019には20社の企業が参加。15種類82体のロボットがランウェイで新作のロボユニを披露しました。
写真で見る20社が発表したロボットウェアの最新コレクション








ファッションショー前半では、なんと拍手ロボットのビッグクラッピーの衣装も!#ロボユニ #ロボコレ pic.twitter.com/SpCkgWCHN3
— モリカトロンAIラボ (@morika_ailabo) November 5, 2019













ロボットアパレルの向こうに、ロボット独自の文化が自立発生する未来を見る
ファッションショーが終わった後、「ロボット共生時代〜アパレルがつなぐロボットと人の暮らし〜」をテーマにしたトークセッションが行われました。パネリストはロボットクリエーターの高橋智隆氏、ゲームAI開発者の三宅陽一郎氏、ライゾマティクス代表取締役の齋藤精一氏、そしてロボットアパレル開発責任者として泉幸典氏の4名です。

今回は家庭用ロボット向けのアパレルも多く発表されましたが、創業時の泉氏は、役割を可視化するためのユニフォームに重点を置いていたことから、ロボットのカジュアルな服をビジネスにする必要をあまり感じなかったといいます。そんな泉氏が最初に家庭用ロボットの服のオファーを受けたのはシャープのロボホン用の公式ウェアでした。すでにロボホンのオーナーたちも自作の服を作っていることもあり、最初にスタンダードを作ろうと考えたとのことです。
ロビやロボホンなどの開発に携わってきた高橋氏は、服を着ていない状態のロボットとして最も美しいデザインを作っていたことから、当初はロボット用アパレルに対してあまり前向きになれずにいたそうです。
ロボットに服を着せることにポジティブになれなかった理由は、クオリティの低いものを着せてほしくなかったからです。しかし泉さんはロボットに服を着せることの難しさを理解しています。ロボユニのように小さくてもきちんと作り込んだ服を見ると、これはこれでアリかもしれないと思うようになりました。(高橋智隆氏)
ロボット用のアパレルをデザインすることには、それ特有の難しさがあります。動いているうちに服がずれても人間のように自分では直すことができず、設計を間違えれば関節部分に布地が挟まり故障の原因になります。さらに同じ動作を繰り返すことでロボット本体が熱を持つことがあるため、熱による発火を防ぐために素材にも気を遣わなければなりません。一体のロボットの服を作るのに、数十回作り直すことも珍しくありません。
ライゾマティクスはPerfumeなどのアイドルグループのライブや、2020年に予定している東京五輪での演出にも携わる、日本を代表するクリエイティブ集団のひとつとして知られており、スクランブルスクエアの展望台「SHIBUYA SKY」でもインタラクティブなサーチライトを使った演出をしています。齋藤氏は人が触れるテクノロジーの入り口が常にエンタメであるようにと意識しながら仕事をしていると語りました。
入り口をうまくカスタマイズすると愛着が湧いてきます。例えば新しい携帯電話を手にしたとき、壁紙を変えるなど自分用にカスタマイズすることで、その携帯電話が1分もしないうちに自分だけの携帯電話になっていきます。同じように服という形でエンタメ性をロボットに与えることは、感情移入を促す装置になるのだと思います。(齋藤精一氏)
三宅氏はゲームAIの開発に携わってきた経験から、AIをはじめとするテクノロジーが人に愛されるものになることの難しさを語ります。
仕事では知能を高めることで人に愛されるAIを実現させようしました。しかし、実際のところ賢いAIが人に愛されるとは限りません。泉さんは服を着せることで一瞬にして社会性をロボットに与え、どう関与すればいいかを人に想像させることに成功しました。(三宅陽一郎氏)
AI独自の文化を作りたいと考えている三宅氏は、ロボットが着飾ったり装うことで自立発生するロボット文化がある未来を想像します。「こういう服を自分は着たい」とロボット自身が思えば、それはAIが持つ初めての文化になります。人間にとってもそのようなロボット文化が人間に近い所に存在することで、これまで陥っていた自家中毒から抜け出し、新しい文化を作る突破口を見いだせると期待をのぞかせました。
今AIは適用の段階にあります。オーナーの行動から得たデータから学習していくプロセスを経ることで、それぞれのオーナーとロボットの物語が生じます。ユーザーに合わて適用する際に、内面をふくめてどこまで深く人間を理解できるかというチャレンジが新しい文脈を生んでいくはずです。(三宅陽一郎氏)
最後に登壇者の3人それぞれが第3回ロボコレの開催に向けて泉氏にエールを送りイベントを締めくくりました。
Editor:高橋ミレイ