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【春期GTC2023】クリエイターコミュニティを支えるNVIDIAのアバターAI技術

2023.4.25アート

【春期GTC2023】クリエイターコミュニティを支えるNVIDIAのアバターAI技術

2023年3月21日から24日にかけてNVIDIAが主催する春期GTC 2023が開催されました。世界中の研究者と開発者、さらにはビジネスリーダーが一堂に会してAIとメタバースに関して交流する同イベントでは、「次世代クリエイターのための3Dアバター生成の促進」と題されたセッションが行われました。本稿ではアバターコミュニティを運営する企業RTFKT(アーティファクト)の試みをまとめることで、NVIDIAが提供するアバターAI技術の活用事例を紹介します。

アバターが主役のファッションコミュニティ「Clone X」

上記セッションを行ったRTFKTとは、仮想空間で活動する3Dアバターが装着するデジタルファッションアイテムをNFTアイテムとして売買するコミュニティを運営する企業です。同社が目指すファッションビジネスについて、共同創業者のベノワ・パゴット氏は「未来のファッションブランドとは、単に製品を作るだけでなく、アイデンティティを作り、ブロックチェーン技術のおかげで人々が実際に所有できて、そして完全に受け入れられることで異なる仮想世界における自分を表現するために使う」もの、とセッションで語っています。

以上のようなビジョンが評価されてRTFKTは2021年12月、NIKEに買収されました。この買収の背景には、NIKEスニーカーのコレクターは高額なスニーカーを購入しても、履くことがなく所蔵あるいは転売している実情が指摘できます。純粋にコレクションアイテムとして扱うのであればデジタルな存在なほうが好都合なので、NIKEは同社のスニーカーをNFTアイテム化するにあたり、RTFKTの技術とノウハウを求めたと考えられます。実際、RTFKTはNIKEのバーチャルスニーカーをNFTとして販売しています。

RTFKTが運営する代表的なアバターファッションコミュニティ「Clone X」は、2021年10月に現代アーティストの村上隆氏とコラボレーションして誕生しました。このコミュニティで使われるアバターの目や髪型といった各パーツのデザインの一部は、同氏がデザインしたものです。同コミュニティのユーザはアバターを使って交流できるだけではなく、RTFKTが提供するさまざまなデータやツールを使ってファッションアイテムを制作・カスタマイズできます。

Clone Xを支えるNVIDIA Omniverse ACE

Clone Xの基幹技術には、NVIDIA Omniverse Avatar Cloud Engine(略称「NVIDIA Omniverse ACE」)が使われています。この技術はアバターやデジタルヒューマンを制作するために必要な機能を集めたツールスイートなのですが、とくに音声のみから表情豊かなアバターを生成するAI機能「Audio2Face」が重要な役割を担っています。

Clone X内で交流する場合、ユーザは各アバターに対して音声で話しかけることになります。話しかけられたユーザはアバターを介して返答するわけですが、この返答にはユーザの感情等が反映されているべきです。Audio2Faceを使えば、ユーザの音声は豊かな顔の表情で感情を表現するアバターに変換されます。

Audio2Faceは、音声の抑揚に合わせて顔の表情を変えるように訓練された3Dキャラクターモデル「Digital Mark」を中心に構成されたディープラーニングモデルです。Digital Mark自体は標準的な人間の頭部を模した3Dオブジェクトなのですが、これをあらゆる人間の顔あるいは人間に近い顔に入れ替えられます。Clone Xではこのモデルを使って、ユーザの音声をアバターの顔の動きに変換しているのです。

クリエイターの制作を支援

前述したようにClone Xのユーザは、購入したアバターを使うだけではなく、さまざまなファッションアイテムを制作できます。RTFKTはユーザがアイテムを制作するのを積極的に支援しており、そうした支援策のひとつにはアバターを写真共有アプリSnapchatのフィルターに取り込むノウハウの提供があります。

RTFKTデザイン・シニア・ディレクターのクリス・リー氏によると、同社は10年後には人々がARメガネをかけて過ごすようになると考えており、このような未来においてはアバターがファッションアイテムの一部になることを想定してSnapchatフィルターのようなAR技術の活用を推進しています。

アバターをふくめたNFTファッションアイテムをカスタマイズ・制作できるClone Toolsも提供しています。このツールは、Clone Xのユーザが自発的に開発したものでBlenderのプラグインの一種です。Clone Xコミュニティには、さまざまなレベルの3Dオブジェクト制作スキルを持ったユーザがいます。そして、ハイレベルなユーザがビギナークラスのユーザでも使えるような制作ツールを共有することで、同コミュニティはよりクリエイティブなものとなるのです。

バーチャルコンパニオンと自律的アバターの実現

セッションではClone Xの今後の展望も語られました。新プロジェクト「Project ANIMUS」とは、Clone Xコミュニティにバーチャルコンパニオン(簡単に言えばバーチャルペット)を導入するものです。このコンパニオンもNFTアイテムとして2023年中に提供される予定です。詳しい仕様は不明ですが、外見のカスタマイズは可能となるでしょう。

NVIDIA Omniverse ACEを活用した新しいタイプのアバターの導入も検討されています。同ツールスイートに含まれる音声認識AIの「NVIDIA Riva」と大規模言語モデル「NVIDIA NeMo Service」を活用すれば、人間が操作しなくとも交流可能な自律的アバターが実現します。具体的には、人間が操作するアバターが話した音声をRivaでテキストに変換して、そのテキストを入力にしてNeMoで応答テキストを生成して、その生成された応答を再びRivaで合成音声に変換するのです。

自律的アバターをClone Xに導入するメリットには、ユーザが制作したアイテムを売買する場合にその取引を自動化できることが指摘できます。実際、同コミュニティには衣服のブランドを運営しているユーザもおり、そうしたユーザがビジネスを拡大するには自律的アバターが不可欠となるでしょう。

以上のようにClone Xが実現しているバーチャルなクリエイターコミュニティは、その存続にNVIDIAのアバターAI技術が活用されています。こうしたコミュニティは、生成系AIの隆盛によって今後さらに拡大すると予想されます。そして、コミュニティが拡大するにつれて、アバターAI技術もますます不可欠なものとなると同時に進化していくことでしょう。

Writer:吉本幸記

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