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インタラクティブなリアリティ番組『Rival Peak』が切り拓く視聴者とAIの新しい関係

2021.1.29先端技術

インタラクティブなリアリティ番組『Rival Peak』が切り拓く視聴者とAIの新しい関係

2020年12月17日、Facebookが同年12月2日(日本時間3日)にリリースしたユニークな動画コンテンツ『Rival Peak』に関する勉強会がオンラインで開催されました。この記事では、同コンテンツの視聴者用UIを開発したGenvid Technologies日本オフィスのビジネス・ディレクターであるジョンソン裕子氏による解説を再構成しながら、同コンテンツの開発コンセプトとその可能性をまとめます。

MILEs(Massive Interactive Live Events)とは?

『Rival Peak』を理解するには、このコンテンツがどのようなカテゴリーに位置づけられるのかを確認する必要があります。同コンテンツは、ゲームとメディアの中間に位置づけられるインタラクティブ・メディアというカテゴリーに分類されます。このカテゴリーに近しい既存コンテンツとしては、ライブ動画サイトにおける投げ銭システムやコメント、テレビのdボタン、Netflixのインタラクティブ・コンテンツが挙げられます。

インタラクティブ・メディアの台頭は、既存の映像コンテンツのカテゴリーと対比して説明するとその特徴をより理解できます。映像コンテンツとしては最も歴史のある映画とテレビは、コンテンツの内容に対して視聴者が関与できないインタラクティブ性に乏しいカテゴリーです。

1970年代に誕生したゲームは、映像にインタラクティブ性を加味することによって映像を見ながら「プレイ」するカテゴリーに位置づけられます。21世紀になって誕生したeSportsは、ゲームプレイを「視聴する」という、ゲームに比べてやや受動的なカテゴリーを生み出しました。そして、今後はディスプレイを介するより没入度が高いAR/VR/MRがさらに発展する可能性があります。

インタラクティブ・メディアは、ゲームをプレイするよりは受動的でゲーム視聴よりはインタラクティブなカテゴリーに該当します。こうしたカテゴリー相互の関係を図示すると以下のようになります(図では「インタラクティブ・ストリーミング」という呼称になっている)。図は左側に位置づけられるほど受動的な体験になり、右側ほどインタラクティブなものとなります。Rival Peakはインタラクティブ・メディアのなかでも多数の視聴者の同時参加を特色としているので、「MILEs(Massive Interactive Live Eventsの略称)」と言えます。

MILEsコンテンツのインタラクティブ性は、視聴者にコンテンツに関与できるUIを提供することで実現します。提供されるUIの具体例としては、ゲームの場合では視聴者のゲーム理解度に合わせた情報表示、ゲームキャラクターの応援ボタンや妨害ボタンが挙げられます(下の画像参照)。そして、こうしたUIを実装するためのSDKを開発・提供しているのが、Genvid Technologiesなのです。

MILEsコンテンツの開発にあたっては、ゲーム開発者に新しい発想が求められます。具体的には、ゲーム視聴者のゲームへの関与という新しいレイヤーのデザインが必要となります。このレイヤーこそが「MILEsコンテンツならでは」のものとなるので、前例にとらわれずに自由にデザインされるべきでしょう。また、MILEsコンテンツにおいては視聴者とゲームの関係が刷新されるので、新しいマネタイズシステムを実装できます。例えば、ゲームキャラクターを応援するグッズの販売が可能となります。

結末は誰も知らない

世界初のMILEsコンテンツであるRival Peakは、AIキャラクターが大自然の中でサバイバルする様子を視聴するリアリティ番組です。この番組の特徴は、視聴時にオーバーレイ上で表示されるUIを知ることで理解できます(以下の画像を参照)。

Rival Peakには12人のAIキャラクターが出演しており、それぞれの顔アイコンが画面下部に表示されています。顔アイコンをクリックすると、クリックしたAIキャラクターが撮影された画面に切り替わります。画面左側にはAIキャラクターに関与するためのUI、画面右側にはAIキャラクターの状態や視聴者の視聴履歴を確認するためのUIが並んでいます。

視聴者はAIキャラクターに対して、(SNSで「いいね」を押すようにして)応援ボタンを押して応援したり、「火を起こす」のような特定のアクションに対するサポートボタンを押してアクションの完了を早めたりすることができます。さらには、AIキャラクターが次に行うアクションを3択のボタンから選べます。そうした3択には「食糧調達」「辺りを見回る」といったものがあります。各種UIを押すことを通して、視聴者がAIキャラクターの行動に関与できるのです。

キャラクター同士の会話にはテキストでオーバーレイ上に表示されるものとアイコンでゲーム内に表示されるものがあります。テキストで表示される会話は、人間のシナリオライターによって書かれた台詞を状況に応じて表示しています。それぞれのキャラクターには出身地や仕事、趣味、勝ち残った際の賞金で叶えたい夢など細かい設定があり、それらとストーリーラインに沿った会話が用意されています。アイコンでゲーム内に表示される会話は「内向的」「外交的」といった細かい性格や、ほかのAIキャラクターとの相性など内部で持っている設定から、このAIキャラクター同士なら起こり得るとされる会話を表示します。現状の技術レベルでは、完全自律型のAIキャラクターを登場させるには至っていないのです。

また、前述のようにRival PeakはAIキャラクターがサバイバルする様子を見るリアリティ番組ですが、おおまかなストーリーが用意されています。12週間放送される番組の進行中には、1週間ごとに1名の脱落メンバーが決まります。この脱落メンバーは、視聴者からの応援が少なかったAIキャラクターが選ばれます。視聴者の応援は日々刻々と変化するので、視聴者はもちろんのこと、コンテンツ開発者も誰が脱落するかは事前に知ることができません。こうした結末が未定な点こそ、Rival Peakがリアリティ番組である所以です。

以上のような番組内容を実現するために、Rival Peakのインフラ環境においてはAWS上で14個のGPUが稼働しています。このGPU群が、ゲーム環境とAIキャラクターたちの状態と動作をシミュレートし、各AIキャラクターの画面にレンダリングされます。そして、視聴者のUI操作によって生じる状態変化はGPU群に渡されて、AIキャラクターのシミュレートに反映されます。Rival Peakは、クラウド環境での稼働を前提としたコンテンツでもあるのです。

育成型コンテンツとの親和性

勉強会ではRival Peak解説の終了後、ジョンソン裕子氏とモリカトロン株式会社モリカトロンAI研究所所長の森川幸人氏、そしてmonoAI technology株式会社の中嶋謙互氏によるディスカッションがありました。そこで指摘されたのが、今から35年前にリリースされたゲーム『リトル・コンピュータ・ピープル』(1985年、アクティビジョン)がRival Peakの先駆作にあたる、ということでした。『リトル・コンピュータ・ピープル』とは1985年にAtariSTやAppleⅡ向けに発売されたシミュレーションゲームで、その内容はバーチャルな家に暮らす男性の世話をするという当時としてはかなりユニークなものでした。このゲームは『シムピープル』(2000年、マクシス)の開発にも影響を与えており、ライフシミュレーションの源流と見なされています。

リトルコンピュータピープルとRival Peakの類似性が指摘されたことによって、MILEsコンテンツは育成型コンテンツとの親和性が高いのではないか、という方向にディスカッションが展開しました。具体的には、Rival Peakに登場するAIキャラクターを親しみやすい動物などに変えて、視聴者がその動物の育成に関与するリアリティ番組にするというアイデアが話されました。このアイデアは、育成したAIキャラクターを何らかの競技で競わせるというように発展させることもできるでしょう。こうした「アスリート育成型MILEsコンテンツ」には、(実在のアスリートを応援するサポーターのような)AIキャラクターを応援する視聴者コミュニティの形成が期待できそうです。

MILEsコンテンツを通した広告の可能性についても言及されました。MILEsコンテンツの強みは、視聴者の関与に合わせて表示する情報やUIを変えられることにあります。MILEsコンテンツを通したキャンペーンを実行する場合には、商品自体あるいは商品を象徴するキャラクターを登場させて、視聴者の関与から消費者の嗜好を把握することができるでしょう。

以上のような世界初のMILEsコンテンツであるRival Peakは、視聴者に新しいインタラクティブ体験を提供します。こうした新体験が可能となったのは、クラウドとAIの進化によるところが大きいです。Rival Peakとそれに続くかも知れないMILEsコンテンツは、人間とAIの新しい関係をも提案しようとしているのかも知れません。

Writer:吉本幸記

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