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巡回セールスマン問題を応用したAIアート:月刊エンタメAIニュース vol.13

2021.1.22先端技術

巡回セールスマン問題を応用したAIアート:月刊エンタメAIニュース vol.13

エンタメにおいてもAIは日進月歩で進歩しており、新しい研究成果や試みが次々と発表されています。こちらの連載では、過去1か月間、主に海外で公開された注目すべきゲームAIやエンタメAIに関連したニュース、論文などを紹介していきます。

ゲームプレイAIとゲーマーの脳活動は同じパターンであることが判明

第三次AIブームをけん引した技術のひとつであるニューラルネットワークは、「ニューラル(神経の)」という形容詞がふくまれることから分かるように、人間の神経細胞の働きを模倣するアーキテクチャを採用したことにより、大きな技術的ブレイクスルーをもたらしました。こうした神経細胞とAIの類似性に関する新たな知見が、医学系メディアMedical pressの1月8日付の記事で紹介されました。その知見とは、ゲーマーの脳活動とゲームプレイAIの類似性です。

アメリカ・カリフォルニア工科大学の研究チームは、『PONG』のようなレトロゲームをプレイするゲーマーの脳をfMRIでスキャンした画像と、同じゲームをプレイするゲームプレイAIのニューロンの活動画像を比較する実験を行いました。その結果、ゲーマーの脳活動のうち知覚と視覚を司る領域が活性化するパターンが、ゲームプレイAIにおけるニューロンのそれに非常に似ていることを発見しました。

以上の実験結果が意味するのは、人間の脳活動とゲームプレイAIの挙動には双方向的関係があることです。つまり、人間の脳活動に関する研究成果はゲームプレイAI開発に応用することができ、反対にゲームプレイAIの研究によって人間の脳活動を解明することもできるのです。

今回の実験結果は、ゲームプレイという何らかの意思決定が関与する活動において、脳活動とAIの類似性が判明した点でも画期的です。というのも、今後AIに高度な意思決定機構を実装する場合、意思決定時における人間の脳活動に関する知見が応用できることが示されたからです。人間の脳をより知ることは、よりヒューマンライクなAIの研究開発につながるというわけなのです。

バーチャル試着を可能とするGAN「VOGUE」

テック系メディアSyncedは1月8日、バーチャル試着を可能とするGAN「VOGUE」が発表されたことを報じました。GoogleとMITらが共同開発した同モデルは、任意の人物の衣服を着た半身画像とその人物とは別の(広告モデルのような)人物の半身画像を入力して与えると、衣服だけが差し替えられた半身画像が生成されるというものです。

VOGUEの開発には、GANの一種であるStyleGAN2が応用されました。StyleGAN2を応用することによって、半身画像から体型、髪の毛、肌の色といった特徴を抽出して、そうした特徴を保持しながら異なった衣服を合成することに成功したのです。VOGUEの学習には、ファッションフォト等から収集した約10万枚の画像が使われ、合成画像は512 x 512ピクセルのサイズで出力されます。

VOGUEを論じた論文では、同モデルと機能的に類似した既存のGANモデル(ADGANとCP-VITONN)の性能比較も解説しています。VOGUEは先行GANモデルと比較して、実在の人物を撮影した半身画像との誤差が小さいことがわかりました。この結果は、VOGUEがもっともフォトリアルなバーチャル試着GANであることを意味します。

論文では、VOGUEに関する制限事項が2点指摘されています。ひとつは、今回の研究開発では女性の半身画像のみを使ったので、男性のそれでも同様の合成結果が得られるかは不明です。もうひとつは、今回の研究では学習データの健全性を厳密に考慮していないことです。VOGUEをバーチャル試着AIとして実用化する場合は、学習データの収集時に人種や性差、年代等に関する偏りが生じないように配慮する必要があります。

参考論文:VOGUE: Try-On by StyleGAN Interpolation Optimization

人の顔を一筆書きするAIロボット「Chitrakar」

テック系メディアTech Xploreは1月5日、インドで開発された人の顔を一筆書きするAIロボット「Chitrakar」を紹介する記事を公開しました。サンスクリット語で「画家」を意味するこのロボットを開発したロボット工学者のAniruddha Singhal氏によると、ロボット開発の発端はたまたまジョルダン曲線に関する記事を読んだことでした。ジョルダン曲線とは、同一平面において始点と終点が同じで、なおかつ一度も交差することのない1本の曲線のことです。この曲線を使えば、美しいアート作品が作れるのではないかと思ったのです。

ジョルダン曲線をアート作品に変換する際には、巡回セールスマン問題(Traveling Salesman Problemの頭文字をとってTPS問題とも言われる)を解くアルゴリズムが使われました。この問題は、セールスマンが複数の都市を1回だけ訪問する場合に、最短となる経路を算出するというものです。TPS問題を解決する経路は、所定のすべての点を通過する最短経路となります。この最短経路をジョルダン曲線で描くようにすれば、所定の全点を通過する1本線、すなわち所定のポイントを描いた一筆書きの線となります。

以上のアイデアにもとづいて、Singhal氏は人の顔画像から一筆書きの線を生成するAIを開発しました。そのAIに人の顔画像を入力として与えると、顔の特徴を保持した点の集合を出力します。ついで出力された点に関するTPS問題を解決する経路を算出します。そして、その経路をジョルダン曲線に変換して一筆書きの線を生成するのです。

生成された一筆書きの線は、ロボットハンドに取り付けられたペンで描くようにしました。Singhal氏によると、今後は開発したAIロボットを使って、GANで生成した様々な様式のポートレートも描けるようにする予定です。

参考論文:CHITRAKAR: ROBOTIC SYSTEM FOR DRAWING JORDAN CURVE OF FACIAL PORTRAIT

絵画風加工カメラアプリに潜むバイアス

テック系メディアDigitalinformationworldは2020年12月31日、絵画風加工カメラアプリに潜むバイアスに関する記事を公開しました。この種類のアプリは、入力として渡した画像をゴッホ風やムンク風の画像に変換するというものです。こうしたアプリには、入力画像の特徴を保持しながら任意の特徴を追加するGANが応用されています。

アメリカに拠点がある富士通の研究機関Fujitsu Laboratories of Americaの研究チームが発表した論文によると、絵画風加工カメラアプリが出力する画像のなかには人種的な偏見が認められるものや、美術史の誤解にもとづいた不適切なものがあります。そうした事例には、黒人であるハリウッド女優のテッサ・トンプソンのポートレートをルネサンス期の肖像画風に変換すると肌が白くなる、というものがあります。入力画像にある黄色を強調するように変換して、「浮世絵風」として出力する事例もありました。

上記論文では不適切な画像生成事例を10ケース挙げており、その原因は多種多様です。そうした原因をあえて一言でまとめると、「バイアス(偏見、先入観を意味する英単語)」があるため、となります。前出の浮世絵風に変換する事例は「浮世絵とは黄色い絵である」という偏見にもとづいて開発された結果、生じたと考えられます。

開発者の偏見が反映されてしまう事例は、絵画風加工カメラアプリに限らず、あらゆるドメインのAI製品に起こり得ることです。それゆえ、AI製品の開発者には製品ドメインに関する専門知識と同時に偏見を排する倫理観が求められるのです。

参考論文:Biases in Generative Art—A Causal Look from the Lens of Art History

Writer:吉本幸記

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